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【サピックスのSS特訓】算数の学習法は?志望校別講座と単科講座の活用方法、家庭学習の優先順位も

【サピックスのSS特訓】算数の学習法は?志望校別講座と単科講座の活用方法、家庭学習の優先順位も 算数

サピックスでの算数の学習優先順位は、9月から大きく変わります。夏前まで優先度が最も高かった「平常授業」にかわって、SS特訓が優先順位第1位になるのですね。後期の学習の「要」となる「SS特訓」。その内容と家庭学習のポイントをお伝えします。

志望校別講座とは|使用されるプリントや復習について

SS特訓の志望校別講座とは、文字通り志望校に特化した対策が実施される授業です。1コマ80分の授業時間で、算数、国語、理科、社会の授業が5時間20分かけておこなわれます。

それでは志望校別講座ではどのようなプリントを使用し、どのように復習に取り組めばよいのでしょうか。

志望校別講座で配布されるプリントについて

教材も志望校の傾向に合わせたプリントが使われます。

開成コースでは開成の入試問題の傾向に合わせた「SSKA」というプリントが配られますし、麻布コースでは麻布の入試問題の傾向に合わせた「SSAZ」というプリントが配られるということですね。

この志望校別プリントには、各学校の入試問題の中でも合否をわけるような比較的レベルの高い問題が集められています。こうした問題に取り組むのはもちろん意味のあることではありますが、これらを完璧に正解できることばかりにこだわることはありません。

実際の入試問題には、この志望校別プリントの問題より難易度の低い問題も出題されます。入試はあくまで合計点での競争です。ご家庭で過去問に取り組むなかで、まずは標準的な問題での失点を抑えつつ、SS志望校別プリントを活用して難しい問題を解く力をレベルアップしながら合格を目指しましょう。

ただ、すべての中学校の専用プリントが用意されているわけではありません。問題の傾向がある程度似ている中学校については、それらの学校を志望する生徒さんのための共通プリントが用意されています。

たとえば「SSSJ」や「SSTJ」や「SSKK」などは志望校共通プリントです。傾向が似ている学校を志望するコースにはこれらの共通プリントが配られ、コースの学習到達度に合わせて講師が選んだ問題に取り組みながら授業が進んでいきます。

志望校別講座の復習は?

サピックスの6年生後期の最も重要な課題は、この志望校別プリントの復習です。多くの校舎でSS特訓のある日曜日の授業開始45分ほど前から、このプリントの復習テストが実施されます(校舎によって異なります)。ここで8割以上の得点をキープすることを目標に、復習に取り組みましょう。

そのためには志望校別講座をしっかりと集中して受講し、一週間で少なくとも2回はプリントを解きなおす必要があります。最難関校のプリントは2回でも足りないかもしれません。復習テストの内容は基本的に前週の問題の数字を変えたものですので、8割を取れるようにマスターしましょう

神奈川県では2月2日に第一志望校の受験が実施されることがある

首都圏のほとんどの生徒さんにとっての最優先課題は、2月1日の第一志望に向けた志望校別講座のプリントです。しかし、神奈川県では聖光学院や栄光学園など2月2日に第一志望校となる中学校の入試が実施されます。この場合は土曜特訓でその対策プリントが配布され、授業が実施されることが多いようです。第一志望が聖光学院であれば「SE」、栄光学園であれば「EI」というプリントが使われます。

2月2日に入試が実施される中学校の対策コースを設置するサピックスの校舎では、保護者会でもアナウンスがあると思いますが、土曜特訓で第一志望のプリントに取り組む場合は、そのプリントを繰り返し復習するといいですね

単科講座とは

単科講座は、算数、国語、理科、社会の4科目のなかから、2科目を選択して集中的に学力アップに取り組む講座です。1コマ100分の授業時間で2コマ実施されます。

「100分も授業を受けられるの!?」と驚かれるかもしれませんが、100分という授業サイズは夏期講習で計54コマ経験していますし、講師もお子さんたちが飽きないように配慮して授業をおこなっているので、さほど心配はありません。毎年どの生徒さんもなにも問題なく授業を受けています。

算数の単科講座で選択できるのは「解法力講座」と「思考力講座」のいずれかです。

「解法力講座」では毎回、いままで習ってきた内容を総復習しながら、忘れてしまっている解き方を思い出し、さらにレベルの高い問題を解けるように取り組んでいきます。「思考力講座」は、思考力に重点を置いた最難関校の問題に対応できる実践力を養成する講座です。

単科講座はどのように選択すればいいの?|解法力講座と思考力講座の特徴

算数のサピックス偏差値が60未満の生徒さんであれば、単科講座はこの解法力講座を選択するといいでしょう。また、算数の偏差値が60以上であっても、志望校が筑波大付属駒場(筑駒)や開成、桜蔭などの高い思考力を求められる学校でなければ、この解法力講座を選択することをおすすめします。

プリントの構成は「基礎プリント」、「図形問題の特訓」、「実戦A~E」、「発展演習」です。解法力講座はどの校舎でも多くの生徒さんが受講されるので、各コース15名前後で学力別にコースが編成されます。ですから、そのコースの生徒さんの習熟度に合わせた問題を担当講師がセレクトして授業が行われます。授業中に扱った問題と「自分で取り組んでおきましょう」と指示のあった問題を、ご家庭でしっかりと復習するといいですね。

学力的な目安としては、「基礎プリント」はサピックス偏差値で45未満の生徒さん向けの基礎確認プリント。「図形問題の特訓」はかなり高レベルの問題になるので偏差値60未満の志望校である場合は無理してまで取り組む必要はないかもしれません。ただし、問題によっては「難しいけれど、解法としては重要」ということがあるため、担当講師の判断によって基礎的なコースで扱われることもあります。

学習のメインは「実戦A~E」です。5枚のプリントのなかで授業中に扱ったものをしっかり解き直すことが大切ですね。「発展演習」はサピックス偏差値60以上の学校を志望する生徒さん向けで、かなり難易度の高い問題になります。

SS特訓2回目以降は、解法力講座内で復習テストがおこなわれます。前回のプリントをしっかり復習して、満点を目指して取り組むといいですね。この復習テストと、その日の授業プリントの点数で、毎週コース昇降をします。コースアップを励みにがんばりましょう!

解法力講座は、多くの生徒さんにとって非常に有効な講座です。受験算数の全単元を網羅的に復習することができるので、いままで学習した内容を入試で得点できるレベルまで引け上げるのに非常に役立ちます。

思考力講座とは

思考力に重点をおいた最難関校の「大型の問題」に対応できる実践力を養う講座です。大型の問題というとわかりづらいかもしれませんが、ここでは「いくつかの小問で構成された難易度の高い問題」と理解していただければと思います。

生徒さんの算数の偏差値が60以上、志望校の偏差値も60以上の思考力に重点をおいた問題が出される中学校である場合に有効な講座です。それ以外の生徒さんにとってはあまり意味のない講座になってしまう可能性があるので、受講する場合はお通いの校舎の先生に相談することをおすすめします

毎週、単元の枠をはずして、じっくりと大型の問題に取り組む演習中心の授業です。解法力講座と共通の図形問題の特訓プリントもありますので、こちらは家で復習するようにしましょう。それ以外の大型問題はできる限り授業中に完結できるように取り組むといいでしょう。授業中に「じっくり悩む時間を持つ」ことが、この講座の狙いとなります。

復習の優先順位は?志望校別講座と単科講座のどちらを優先するべき?

ご家庭での復習の最優先は志望校別講座のプリントです。日曜日の朝にある復習テストで8割をとれるように、しっかりと取り組みます。次に優先順位が高いのは算数解法力講座です。A~Eプリントのなかで授業中に取り組んだものをしっかりと復習し、次回の復習テストで満点もしくは1問ミスとなるようにしましょう。思考力講座を受講する場合は図形問題の特訓プリントは必ず解き直し、その他の問題は余力があれば解き直すといいでしょう。

志望校別コースのプリントが難しすぎる場合

SS特訓で所属する志望校別コースは、生徒さんの志望校によって決定されます。つまり、同じ教室には同じ中学校(あるいは傾向や求められる学力が近い中学校)を受験する生徒さんが集まっているということですね。

志望校別コースが目指しているのは、もちろん志望校の合格です。そのため、志望校の偏差値と自分の偏差値が離れている場合でも、志望校が求める水準に合わせたプリントを使用することになります。

ただ、「志望校別プリントの難易度が高くて、歯が立たない……」というケースもあり得ます。その場合は単科の解法力講座の復習を最優先にして、まずは基礎を固めましょう。基礎をしっかり固めた上で、志望校別プリントの中で取り組めそうな問題のみ、何問かにしぼって復習していくようにするといいですね。

入試問題のなかには基本的な力だけで取り組める問題が必ずあります。まずは基本問題を取りこぼさないようにするためにも、解法力講座を優先して基礎を固めるようにすることをおすすめします。

SS特訓の算数についてよくある質問

SS特訓の算数について、よくいただくご質問をまとめます。

Q:「聖光・浅野コース」などのように2つの学校名が入っているコースでは、どのような授業になりますか?

A:2つの学校名が入るコースの場合、その2校の入試問題は基本的に同じ傾向であるということです。それぞれに対して有効な内容のプリントが複数配られて、担当する講師がそのなかから問題を選んで授業を進めます。「2つのコース名が入るなんて大丈夫かな? 対策できないのでは?」と不安になることがあるかもしれませんが、志望校にしっかり対応できますので問題はありません。

複数の学校名が入っているコースの場合は、以下の家庭学習に取り組んでください。

  • 授業中に取り組んだ問題
  • 授業中に取り組まなかったけれど、次回の復習テストの範囲になっている問題

復習テストでしっかり点を取れるよう2~3回は繰り返し取り組むといいですね。

Q:「平常授業」「土特」「SS志望校別」「SS単科講座」とたくさんありすぎて復習が追いつきません。優先順位の高いものを教えてください。

A:復習の優先順位は以下の通りです。

  • 優先順1位:SS志望校別プリント…次のSS特訓の朝に実施される復習テストで8割以上取れるように、繰り返し練習しましょう。
  • 優先順2位:SS単科解法力講座のプリント…こちらも復習テストがあるので、しっかり復習しましょう。
  • 優先順3位:志望校の過去問…時間を計って、週に1回は取り組むようにしたいですね。

ここまでの学習で精いっぱいであれば、平常のプリントと土特のプリントは復習なしでも大丈夫です。余裕があれば、授業で解いて間違えたものは直しをするようにするといいでしょう。ご家庭での学習時間が減っている分、後期は「授業にしっかり集中する」ことができるようにサポートしてあげたいですね。

Q:志望校別のプリントでなかなか得点できません。志望校を変更した方がいいのでしょうか?

A:志望校別のプリントには、その学校の入試問題のなかでも合否を分けるような大事な問題が掲載されています。SS特訓の志望校別プリントの点数が低いからといって志望校を変える必要はありません。次のSS特訓までに2~3回繰り返して、その解き方を身につけていきましょう。

ただし、「授業を受けても解き方が全くわからない」「解説を読んでも解き方がわからず、歯がたたない」といった状況がみられる場合は、講座受講の効果が低くなってしまう可能性があるので、校舎の先生に相談されたほうがいいですね。

Q:解法力講座では、基礎プリントは全く手付かずの状態で帰ってきます。基礎プリントは家庭でやった方がいいのでしょうか?

A:基礎プリントは、その回の授業の単元の基本となる事項を確認するものです。授業中に扱わなかった場合は、家庭でも復習する必要はないでしょう。

ただ、「算数に不安が残る」あるいは「サピックス偏差値45未満の生徒さん」であれば、基本の確認という意味で取り組んだほうがいいでしょう。それ以外の生徒さんは「授業中に扱ったもの」と「自分で解いておくように指示されたもの」をしっかり復習するようにすれば大丈夫です。

Q:時間が足りず、家庭での復習ができません。効率の良い家庭学習の方法を教えてください。

A:6年生の9月からは、日曜日もSS特訓があり、前期に比べて家庭での学習時間は大幅に減ってしまいます。それに加えて過去問をやらなければならないので、「時間が足りなくて、復習が終わらない」状態になるのは当然です。そんななかでも、優先順位の高いものから、できる限り復習していくのが後期の学習です。

効率よく勉強するためのポイントは、授業中に問題を解いて解説を聞いているときに、復習するべき問題かどうか判別をしてマークをつけてきてもらうことです。

具体的には、以下を基準にマークをつけて帰ってきましょう。

  • 自分で解けなかった問題」のなかでケアレスミスが原因のもの以外を最優先に解き直す問題としてマークをつける(解けなかったとしても、単位ミスや単純計算ミスなどの問題は、復習する問題から省いてもいいでしょう)。
  • 「自分で解けた問題」のなかで、「解き方に不安が残るもの」「先生の解説の解き方のほうが早くてスマートなもの」は優先して解き直す問題としてマークをつける。
  • 「自分で解けた問題」で解き方にも不安がないものは、思い切って復習する問題リストからはカットしてOK。

このように、「復習するべきかどうか」の仕分けを授業中にしてしまうと、短い時間で効率よく復習ができます。

まとめ

SS特訓の算数は、志望校別講座と単科講座で、非常に内容の濃い授業になっています。後期の優先順位第一位のSS特訓算数を活用して、今まで学習してきた内容を得点に変えられる力をつけ、自信を持って入試に臨めるようになるといいですね。この記事が志望校合格に向けてがんばる受験生のお役に立てることを願っています。

この記事の内容はサピックスの公式見解ではありません。気になる点については、所属する校舎の先生に問い合わせていただければと思います。
 
渕貴子

サピックス小学部の算数科講師として20年以上勤務。

自分自身が中学受験をするだけでなく、算数の講師をしながら子ども2人の中学受験を経験。現在は算数の家庭教師として活動中です。

また、中学受験生の親としての経験から、保護者の方々の相談にも乗っています。

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