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中学受験生の親の関わり方|子ども2人の中学受験を成功させた家庭教師のサポート術|辛い、ノイローゼになりそうなときは?

中学受験の親の関わり方_渕先生 コラム

中学受験の主役はあくまで子ども。受験生本人です。そうだとは言え、12歳の小学生がたった一人で立ち向かえるものではないですよね。親である私たちが、適切なサポートで支えてあげたいものです。

実は筆者には2人の子がおり中学受験が終了しました。筆者(渕貴子)は当時、塾講師として働きながら伴走したのですが、うまくいったこともあれば、残念ながらそうでないこともありました。

今回は塾講師をしながら伴走した経験から、子ども2人の中学受験全体を通して意識したことや辛かったときにやっていたこと、オススメの具体的なサポート方法もお伝えします。我が家で実際に使っていたノートも少しだけ公開しますので、ぜひ最後までお付き合いください。

「中学受験生の親」が大切にしたい関わり方

まずは中学受験生の親として軸にしていた考え方を紹介します。

勉強が楽しくなる工夫をする

子どもは「楽しいことはやる」「楽しくないことはやりたくない」とはっきりしています。得意な科目には比較的、積極的に取り組むいっぽう、面倒なことは敬遠しがちです。

しかし、暗記しなければならないことや反復してマスターしなければならないことといった「苦行」に見えることにも、少し工夫すれば小さな「楽しい!」をプラスできます

たとえば「受験」という漢字を何度も間違えてしまう子がいたとしましょう。間違えてしまう原因はいくつも考えられるのですが、塾のテキストには「彼は医学部をジュケンした」というような例文が載っていたとします。この例文ではありきたりで、なんだかおもしろくないですよね。

そこで例文を「ジュケンが終わったらディズニーランドにいきたいね」などに変更してみるのです。これを読んだ子どもは「ねえ、本当に受験が終わったらディズニーランドに連れて行ってくれるの!?」と楽しくなります。しかも、大好きなお父さんやお母さんが作ってくれる例文です。「次はどんな例文を作ってくれるかな?」とワクワクしてくるのですね。

我が家で学習したノートを使って、2つ例をあげてみます。

渕貴子
渕貴子

「兄ちゃんがおおあばれする」という例文があります。兄弟がいればこんな例文にするだけでも、少しだけ楽しくなりますよね。

渕貴子
渕貴子

「来年のスキーは予約ずみだ」という例文があります。先ほど紹介した「受験が終わったらディズニーランドにいきたいね」に近いですね。本当はまだ予約していないかったので、私が「(ウソ)」と書いてみました。これに対して息子から「ウソならもっと盛大に書け!」というツッコミが入っています。これだけでちょっとしたコミュニケーションになりますし、楽しくなりますよね。

このように子どもがニコッと笑ってくれそうな例文に変えてみると、これだけでも漢字の練習が楽しくなります。

勉強を「楽しくする」こうした工夫は、受験が終わった後も親子のかけがえのない思い出になってくれるはずです。

塾の先生と連携して取り組む課題の取捨選択

多くの中学受験塾では膨大な量のテキストやプリントが配られます。子どもだけで、やるべきことを取捨選択するのは無理だと考えた方がいいでしょう。

そこで親御さんの出番です。

通っている塾の担当の先生と連携して、お子さんの学力にあった課題や、志望校合格に必要な課題にしぼってあげることが必要です。

小テストなどがある場合は「いつまでに」「何回くらい」取り組めばいいのかといったところまでサポートしてあげられるといいと思います。学年が上がるにしたがって、少しずつお子さんだけでできる部分も増やしていくと、さらにいいですね。

渕貴子
渕貴子

ちょうど自転車の補助輪をはずしてあげるまでのサポートのイメージですね。少しずつ手を放してあげる感じで、自分で走れるようにしてあげるといいですね。

机上の勉強ばかりになってしまわないように

受験勉強は、算数や国語の読解演習など、どうしても机に向かってすることが多くなりがちです。それは悪いことではないのですが、机に向かっての勉強ばかりでは気がめいります。机ではないところでの勉強時間を作ってあげることも、過酷な中学受験を乗り越えるための工夫のひとつです。

たとえば社会の年代暗記。ソファに寝そべっているお子さんに親御さんが質問して、口頭で答えるスタイルで勉強してもいいですよね。

また、塾の行き帰りの車中で「今日、先生はどんな話をしていた?」と聞いてあげて、お子さんから授業の様子を聞くのも、とても効果的な学習法です。

このように、工夫すれば机上でない勉強時間を作ることができますし、お子さんが飽きずに学習を続けられます。ぜひ試してみてください。

睡眠時間を確保して健全なメンタルを

中学受験で最重要といっても過言でないのが睡眠時間の確保です。高校受験や大学受験とは違い、受験するのは12歳の小学生です。睡眠時間を削って勉強していては、本来できるものもできません。睡眠は健康維持ばかりではなく、入試までのメンタルを良好に保つ意味でも学力向上の意味でも、中学受験における最重要ポイントです

そして、ここも親御さんがしっかりサポートしてあげられる「伴走ポイント」です。

勉強のあとのご褒美のゲームがやめられずに就寝時間が遅くなってしまうお子さんもいれば、勉強をやめられずに夜遅くまで机にかじりついてしまうお子さんもいます。どちらにしても、良い結果を生まないことが多いのです。

個人差はありますが、8時間から9時間の睡眠は確保できるよう、しっかりとした「睡眠計画」を立ててあげられるといいですね。

モチベーションアップ計画

親がいくら工夫をしても、子どもにとって受験勉強はやはり辛いもの。それを乗り越えるためには、「この学校に行きたい!」という入試に向かうモチベーションが欠かせません。

モチベーションアップにつながることの代表例が、学校の文化祭や説明会への参加でしょう。6年生になるとなかなか時間を作ることができなくなるので、4年生や5年生のうちに文化祭や説明会などにお子さんを連れて行かれることをオススメします。

志望校の名前の入ったグッズを持たせてあげるのもモチベーションアップに役立ちます。我が家では、第一志望の学校のマスコットキャラクターのついたキーホルダーを持たせていました。入試当日まで鞄にいれていて、くじけそうになる息子を支えてくれたようです。

オススメの具体的なサポート10選

ここからは私が実際におこなっていた具体的なサポートのなかで、特に大切だと感じたものをピックアップして紹介します。

漢字の書き取りの丸付け

漢字の丸付けはぜひ親御さんがやってあげてください。細かいところはお子さんだけではなかなか気づけないものです。6年生であれば細かいところを指摘しても問題ありませんが、5年生までは嫌になってしまうことがあります。「こういうふうに書かないとダメだっていったでしょ!」と厳しく指摘するのではなくて、「こう書くとバツにされてしまうことがあるから、こう書くとさらにいいんだったよね」というように注意するといいですね。

渕貴子
渕貴子

お子さんの性格や年齢に合わせて、指摘の仕方を変えるといいですね。

毎日の計算トレーニングの丸付け

お子さん任せだと、ついつい甘くなりがちな丸付け。かわいい花まるや、応援コメント付きだと、子どもは嬉しいものです。イラストが得意であれば、キャラクターから吹き出しをつけて応援コメントをつけてみるのもオススメです。

模試や月例テストの間違いノート作り

我が家では6年生の一年間で受けたテストで間違えた問題を集めたノートを作っていました。1か月くらいたって忘れた頃にもう一度解いてみるのが効果的です。最近ではテキストに書き込んだ手書きの文字が消えるスマートフォンアプリもありますので、ノートを作りやすいのではないでしょうか。

国語の語彙を使って、親子で例文作り

語彙は親子で会話しながら覚えていくのがオススメです。どんな状況で使う言葉なのか、親御さんが補足説明してあげられるといいですね。

苦手な漢字を集めたオリジナル漢字練習帳

塾の授業や小テスト、模擬試験などで間違えた漢字を集めたノートを作っていました。入試までに繰り返し書いて、苦手漢字を完璧にできます!

社会科の苦手漢字の練習帳

国語の漢字と同じく、社会の漢字も苦手なものはなかなか覚えられません。お子さんの苦手漢字を集めたノートを作ると、直前期に短時間で復習できます。

歴史や地理のお勉強小旅行

6年生では難しいかもしれませんが、5年生まではぜひ実物を見せてあげる機会を作りたいですね。「百聞は一見に如かず」です。「歴史のテキストを持って京都に小旅行!」などなど、考えられる旅行のパターンはたくさんあります。

過去問コピーと進捗状況表作成

6年生後半はとにかく時間がありません。過去問の進捗状況と点数の把握は必ず手伝ってあげてください。高校受験や大学受験では受験生本人ができることも、12歳の小学生にはうまくできません。煩雑な作業は親御さんが引き受けて、気持ちよく勉強できるようにしてあげるといいですね。

社会科の知識の語呂作り

我が家では、社会の覚えにくい単語や年代は、親子で笑える語呂を作っていました。お父さんに担当してもらってもいいですね。一例をあげてみます。

渕貴子
渕貴子

和同開珎は律令政府が708年にはじめて公的に鋳造・発行したとされる銭貨です。

「なげれば(708)飛びつく和同開珎」という語呂合わせを作ってみました。

くじ引きで社会の暗記

こちらも社会科の工夫です。テキストや一問一答、年号暗記カードで一度覚えたと思っても忘れてしまうものがあります。そこで覚えたい用語や年号などを、お祭りのくじ引きのようにして引いて覚えているかどうかをチェックする形式を考えました。ちょっとしたゲーム性を持たせるのですね。

まずは箱をふたつ用意します。片方の箱に、暗記したい用語や年号を書いた紙を小さく畳んで入れます。それを子どもにくじのように引いてもらい、覚えているかどうかをチェック。しっかりと記憶できていたらもう片方の箱に入れ、忘れてしまっていたら元の箱に戻します。これを元の箱が空っぽになるまで続けるのです。

この一連のゲームを何回か繰り返すと、いつのまにかすっかり覚えていますよ!

「辛い」「ノイローゼになりそう」などメンタルがもたないときはどう切り替える?

ここまでいろいろな伴走法をお伝えしてきましたが、いつも明るく前向きにサポートできていたわけではありません。

私は塾講師をしていましたから、保護者の方が辛い気持ちで感情的になっていると感じたら、共感しながらも努めて冷静に寄り添うようにしていました。しかし、それができるのは塾講師という立場だったからだと思います。

自分の子どもの中学受験となると、冷静でいなければいけないとはわかっていても、どうしても辛い気持ちになってしまうことがありました。また、感情的になってしまったことは一度や二度ではありません。眠れない夜を何度も経験しました。

そんなときに、どうやって気持ちを切り替えていたか。

私の場合は、人と話すことで客観的な見方を取り戻して、持ちこたえていたと思います。

特に息子が通う塾で息子を指導してくれている先生と、個人的に指導してもらっていた国語の先生(このサイトの運営者でもある岸先生です)に話を聞いてもらい、気持ちを立て直していたことを思い出します。

息子の先生方は、が見えなくなってしまった子どもの良いところを知っています

親に甘えて勉強をダラダラやっていたり、やる気のない態度を取ったりしているのを見ると、精神的に疲れてしまいますよね。「私がこんなに一所懸命にサポートしているのに、我が子の態度はなに?」と……。また、成績が下がることがあれば、「こんなにがんばっているのに、どうして成績が下がったの!?」とパニックになってしまうこともあります。

このように親が子どものいいところを見失いそうになってしまったときも、先生方は親とは異なる視点で子どもを見ていてくれます。点数や偏差値、子どもの態度に振りまわされて不安になっている親に対して、しっかり勉強に取り組んでいる姿や得点に表れていない子どもの力を教えてくれるのです。そして、親にも「もう一度前向きにがんばってみよう!」と子どもを信じる力がわいてくるのです。

思いがけない不合格を突き付けられたその日、「最後まで一緒です」と岸先生からかけられた言葉は忘れられません。第一志望合格のその瞬間まで、支え続けてもらいました。

中学受験の伴走で辛くなった時は、ぜひ、お子さんをしっかり見てくれている先生に話をしてみてください。きっと力が湧いてくるはずです。そして私もそんな風に、中学受験に挑むご家庭に寄り添えたらと思っています。

まとめ

中学受験を乗り越えるための親御さんの伴走。ご家庭の数だけ、伴走の方法があると思います。今回は塾講師でありながら息子2人の中学受験を経験したときに意識した関わり方、具体的なサポート方法を紹介しました。

それぞれのご家庭に合った、お子さんに合った関わり方のヒントを、今回の記事で発見していただければうれしく思います。

渕貴子

サピックス小学部の算数科講師として20年以上勤務。

自分自身が中学受験をするだけでなく、算数の講師をしながら子ども2人の中学受験を経験。現在は算数の家庭教師として活動中です。

また、中学受験生の親としての経験から、保護者の方々の相談にも乗っています。

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