国語の家庭教師として、お問い合わせ・ご相談をいただくなかでよくうかがう言葉があります。

国語はどう勉強していいのか本当にわからなくて、気づけば苦手なままになってしまって……。
算数や理科、社会については、どう勉強すればいいのかはわかる。でも、国語についてはどうすればいいのかわからず途方に暮れている……。こうした保護者の方がたくさんいるのを感じます。
国語は算数と並ぶ“中学受験の要”です。中学入試では国語と算数のほうがが理科や社会よりも多く配点されていることがあります。できれば早いうちからしっかりとした力をつけておきたいですよね。特に中学受験のための国語の学習が本格化する4年生の内容を積み残したまま5年生、6年生と進んでいくのは、やはり好ましくはありません。
今回はサピックスの4年生の生徒さん向けに、B授業のテキストの特徴と使い方、復習方法などを紹介します。復習方法などは他の学年でも十分役に立つ内容となっていますので、よろしければ他学年の方もお読みになってください。サピックスで国語の授業を14年半担当、家庭教師として中学受験生と一緒に5年半国語を学習してきた経験から説明しますので、参考にしていただけますと幸いです。

この記事では次のようなことを紹介します。
- 4年生B授業のテキストの学習ポイント
- 中学受験の国語の土台を作るために特に注意したいこと
- 国語力を伸ばすための親子の会話例
- B授業の家庭学習の方法と優先順位
- 中学入試だけでなく大学入試、社会人まで使える記述問題の解答の基礎
4年生国語Bテキストの構成
まずは国語Bテキストの構成を紹介します。
B授業のテキストは「本文」「問題・解答用紙」「解答・解説」の3冊でワンセットになっています。これは春期講習や夏期講習、冬期講習のテキストでも同じです。
1年間の内容としては、物語文(文学的文章)が28本、説明文(説明的文章)が8本の全36回となっています。物語文が多めで、4年生が楽しく取り組めるような設計ですね。
「物語文は好き! 説明文はおもしろくない」。こうした声はかつて勤めていたサピックスの教室でもよく聞きましたし、現在家庭教師として一緒に学習している生徒さんからもよく聞きます。9~10歳の4年生に「国語って楽しいよね」と思ってもらうために、物語文と説明文はいいバランスになっているのではないでしょうか。
各テキストの問題構成は、大きく三つに分かれています。一つは「内容を理解しよう」、もう一つは「練習問題」、そして「内容を整理しよう」です。いわゆる記述問題の数としては、「内容を理解しよう」で4問程度、「練習問題」で3~4問程度の合計7~8問程度となっています。仮に毎回のテキストで7問の記述問題を解くのだと仮定すると、1年間で250問以上の記述問題に取り組む計算です。

サピックスの4年生はいわゆる平常授業の国語Bのほかに春期講習、夏期講習、冬期講習でほぼ同じ構成のテキストを学習するので、すべてに取り組めば合計で300を超える問題を解く計算となります。大人の想像以上のスピードで成長していく子どもたちが、これだけの数の問題に正しく、本気で取り組めば、それだけの力がついていくことは想像に難くないですね。
4年生国語Bテキストの内容と特徴は?
4年生の国語Bテキストは具体的にどのような内容になっているのでしょうか。特徴と一緒に紹介します。
物語文(文学的文章)
物語文は1年間で28本程度に取り組みます。このテキストに取り組む生徒さんと同じ4年生(10歳)前後の少年・少女が主人公の物語が多いのが特徴です。自分の感覚と近いため、生徒さんたちは比較的容易に登場人物の気持ちを理解できます。物語内で起こることも学校や家庭内など身近にありそうなことが描かれていることが多いので、生徒さんとしては想像しやすいはずです。また、テキストが実施される季節にちなんだ物語が取り上げられることもあり、代表的な年中行事やそれに関わる物事(「つるしびな」など)について自然と学習できるようになっています。
設問のパターンとしては、主人公の気持ち・心情を考えるものが多くなっています。もちろん、主人公の周囲にいる人物の気持ち・心情を考える問題も多くありますが、さほど多くはありません。また、その場合も主人公と近い立場の人物(つまり、問題を解く生徒さんと近い立場の人物)であることが多い印象です。
4年生のうちはこうした問題を解くなかで主人公の気持ちを考えるのとともに、中学受験生が知っておきたい気持ち言葉を学習し、語彙力を強化していきましょう。
【本文や設問の答えに登場する気持ち言葉の一例】
うれしい、よろこび、すがすがしい、感謝、(誰かの役に立ちたいという)願い、親しみ、得意、なつかしい、期待、はずかしい、不満、後悔、うしろめたい、申し訳ない、罪悪感、不安、つらい、面倒くささ、気まずい、おどろき、とまどい、(愛犬を失ったことによる)悲しみ
いずれも中学受験の国語ではよく出る気持ち言葉です。言い換えると、気持ち言葉の語彙力は、中学受験で物語文を解くうえでの土台とも言えるものだということになります。
ただ、4年生の段階でこうした言葉がスムーズに出てくることはなかなかありません。知らない言葉・心情は授業の解説を聞き、復習するなかで身につけていけば大丈夫です。物語のなかで主人公が直面している状況を想像して、「確かに自分もそういう気持ちになるなあ」と実感できるといいですね。主人公のことを想像しづらい場合は、主人公が直面している状況が自分の周り(学校や家庭など)で起きていることを想像して、自分のこととして想像すると理解しやすくなります。

気持ち言葉がなかなか出てこない生徒さんであれば、ご家庭での会話に注意すると身につけやすくなります。たとえば生徒さんが「なんというかモヤモヤしたんだよね」と話したとしましょう。これをご両親が「ああ、もどかしかったんだね」などと言い換えてあげることで、生徒さんが「これは『もどかしい』という気持ちなのだな」というように認識する手助けになります。ちょっと面倒だな……と感じてしまうかもしれませんが、こうしたことの一つひとつが国語力につながっていくのですね。
【4年生の国語B授業で扱われる物語文のテーマに多いのは「愛情」や「友情」】
「愛情」「友情」といっても9~10歳の生徒さんたちには、なかなか理解しづらいものです。そんなときは少し言葉を変えるとわかりやすいかもしれません。
筆者は家庭教師として生徒さんの隣にいるので、「あなたのお母さんは、いつもあなたのためにご飯を作ってくれたり、仕事をしたりしてくれるでしょ? それはあなたのことが大切だからだよね? 大切でない人のためにわざわざそんなことしないと思わない? こんなふうに、『相手のことがとっても大切!』っていう気持ちを『愛情』っていうんだよ」と説明することがあります(これを「愛情」と呼ぶのかどうかという定義の話については、ここではご容赦ください)。このように身近にある言葉に置き換えることで、理解してもらいやすくなります。
ご両親がこの方法を使うときのポイントは、自分を主語として話さないことです。「私は、あなたのためにご飯を作ったり、仕事をしたりしているでしょう?」なんて話しはじめると、「なんだか押しつけがましいな」と受け止められて、反発を招いてしまうかもしれません。
主語を変えるといいですね。お母様がこの話をするなら「お父さんはあなたのために仕事をしたり、勉強をみたりしてくれているでしょう? それは、あなたのことが大切だからだよね?」というように話すといいのではないでしょうか。
また、4年生の国語Bテキストの文章のなかには、心があたたまるタイプの「世にも奇妙な物語」のような“ちょっと不思議なお話”もあります。よく考えて物語を理解できるように注意しながら読みたいですね。
説明文(説明的文章)
説明的文章は1年間で8本学習します。「敬語」「動物」「くじびき」など比較的身近なものではあるものの、真剣に考えたことがなかったものが取り上げられることが多いのが特徴です。5年生が近づく後期に取り組む文章のなかには、「生命」という大きなテーマを扱った文章もあります。
文章の内容としては、自分の身のまわりのことや知っていると思っていたことについての新たな視点を子どもたちに提示し、知的好奇心を刺激しようとしているものが多いように感じます。
4年生のあいだに最低限できるようになっておきたいのは、「話題」と「その答え」を理解できるようになることです。
たとえば、4年生のテキストのある回には、以下のような文があります。(実際にサピックスの教室で授業を受けたときの学習効果を高めるため、具体的なテキストのタイトルやテキストナンバーについては記しません。また、テキスト上、設問になっていないところをピックアップしています。ご了承ください)
でも、なぜ生き物は、かならず自分と同じなかまだけをふやしていけるのでしょうか。
浅井利夫「いのちってなんだ―生命と細胞―
問いかけの形になっている、典型的な話題の提起ですね。こうした表現を見たら、「ここからは『生き物が自分と同じ仲間だけを増やしていける理由』が話題になっているんだな、ふむふむ」と考えながら読んでいけるようになるといいですね。
そして、「話題」があったら「答え」が必ずあります。提起された話題のあとを読んでいくと、以下のような記述がすぐに見つかります。(テキスト上の解答に関わってしまうので、上記の話題に対する答えを明記いたしません。ご容赦ください)
その答えは、じつは「秘密の暗号」にあります。生き物はみんな、からだの設計図をかいたそれぞれの暗号を持っています。そして、いのちを受けわたすときに、この暗号も受けわたしていたのです。
自分だけの「秘密の暗号」を持っていること。これも「いのち」の大きな特ちょうのひとつなのです。
浅井利夫「いのちってなんだ―生命と細胞―
4年生では「話題」があったら「その答え」が必ずあることをしっかり意識して、文章を読めるようになりたいですね。
このほか、列挙や対比など中学受験の国語に大切なこと(もちろん、高校受験や大学受験でもそのまま活用できこと)を学習できるようになっています。
説明的文章を読むときに注目すべきところに興味のある方は、ぜひ以下の記事をお読みください。
Bテキストで中学受験国語の基礎・土台を作るためのポイント
4年生のB授業では、将来的に中学受験をする9~10歳の少年・少女たちが知っておきたい社会のこと・世の中のことについて書かれた文章に触れながら、自然と教養を身につけられえるようにできています。
ただ、文章の内容を60分しかないサピックスの授業を受けただけで理解するのは、難しいものです。できれば親子で文章について話し合って、理解を深めていけるといいですね。
たとえば、夕食のときなどに「今日(昨日)のサピックスの国語ではどんなことを勉強したの?」といった会話をするといいですね。(こうした会話をする前には、お母様、お父様も本文を読んでおいていただければと思います)
ご両親「今日(昨日)のサピックスの国語ではどんなことを勉強したの?」
生徒さん「今日の文章にはこういうことが書かれていた」
ご両親「うんうん、なるほど。それであなたはどう思ったの?」
生徒さん「こう思ったよ」
ご両親「その考えもいいね。ちなみに、私はこう思うな。(ご両親の考え)」
こうした会話をすることで、生徒さんは本文に書かれていることが絶対的な正解ではなく、さまざまな考え方があることを学んでいきます。この繰り返しが客観的な視点や論理的な思考力を養っていくのですね。

筆者は実際、上記のような提案をすることがあります。毎回のテキストで……というのは難しいものですが、可能な限り取り組んでくださったご家庭の生徒さんは、最終的に大きな学力を養って中学入試を終えています。何よりも一気に世界が広がる中学生以降、あるいは社会を生きる人の土台としての教養が身について卒業していったように感じています。「国語の勉強」というと問題を解くことばかりが重視されがちですが、こういった取り組みの積み重ねが大輪の花を咲かせることにつながっていくのですね。
これと一緒に家庭学習(宿題)にも取り組みましょう。具体的な取り組み方は次の小見出しで紹介しますが、一つポイントを挙げると「記述問題の土台を作ることが重要だ」という意識を持っておくようにするといいですね。
私は生徒さんに「あなたが書く解答は、採点者に向けた説明文だよ」とお話しすることがあります。物事の説明は「理由」と「結論」がセットであるからこそ説得力を持ちます。4年生国語Bの物語文のテキストの多くで「理由」→「気持ち」といった形で記述するよううながされており、答えとなる気持ちとその理由の因果関係をはっきりさせるよう求められているのが特徴です。
この「理由」→「気持ち」という形は、記述問題の解答の骨格になりますので、4年生のあいだにしっかり意識して、因果関係を論理的に把握する力と記述問題の解答の基礎力を養いたいですね。
4年生国語Bテキストの復習法と注意点
4年生の国語Bテキストは、具体的にどのように復習すればいいのでしょうか。家庭学習の手順としては以下の通りです。
- ステップ1、音読
- ステップ2、サピックスの授業でやった問題の復習
- ステップ3、サピックスの授業でやらなかった問題へのチャレンジ
- ステップ4、内容を整理しよう
学力や所属コースによって復習にかかる負担にバラツキが生じます。ただ、どんなに大変でも、2番目の「サピックスの授業でやった問題の復習」までは、最低限のメニューとして取り組むべきだと考えています。
ステップ1、音読
文章を読み直さないで復習をスタートしようとする生徒さんが時々いますが、さすがに再読しないで問題に取り組むのは難しいと思います。生徒さんによっては、「覚えているから大丈夫」と言うこともあるのですが、実際はやはり忘れてしまっています。スムーズかつ効率的に復習に取り組むために、必ず音読からはじめましょう。
ここまで読んで、「なぜ音読にこだわるの? 黙読でもいいのでは?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに中学受験に関わる先生方と話していても「音読に国語力を上げる効果があるかは疑わしい」という意見を聞くことがありますし、それを全否定するつもりはありません。
ただ、それはすでに一定水準の国語力に達している生徒さんの話だと、筆者は考えています。国語の苦手なお子さんは文や文字を正しく読むところで苦労していることを見逃したくはありません。たとえば、以下の文をお読みください。
フライパンなどの器具を用いて、調理する。
この記事を読んでくださっている方は、「フライパンなどのきぐをもちいて、ちょうりする」と読めることと思います。ところが、国語の苦手な生徒さんは6年生でも「フライパンなどのきぐをよういて、ちょうりする」と読んでしまうことがあるのです。「用いて」を「もちいて」と読むことを知らないわけですね。当然、「用いて」の意味を知らない可能性もあります。
これほど極端でなくても、「漢字が読めない」「言葉のまとまりをとらえられない」といったことはよくあります。音読は黙読では気付きづらいこうした問題を発見し、正しく教えてあげる機会を作るのに、非常に役立つのですね。
また、特に国語の苦手な子は、黙読では内容が頭に入ってこないということもあります。文字を追うだけで済んでしまうので、スルスルっと読み流したり、読み飛ばしたりしてしまうのですね。いっぽう、音読なら一文字も飛ばさずに読むことになるため、おのずと意味を理解しやすくなります。
そう考えると、生徒さんに音読をしてもらうときのポイントは「はっきりと大きな声で読むように伝えること」となります。筆者自身が子どもだったころのことを振り返っても思い当たるふしはありますが、音読中に自信がないところに差し掛かると、ついゴニョゴニョと読んでごまかしたくなってしまうのですよね。しかし、それをそのままにしてはせっかく音読をしてもらっても効果は半減してしまいます。必ず、大きな声ではっきりと読むよう伝えるといいですね。

お子さんが音読をしているときは、必ずお母様やお父様が聞いてあげてください。家事や仕事をしながらでもかまいませんが、できれば一緒に文字を追いながら聞いてあげるほうが好ましいですね。もしお子さんだけでテキストのすべてを読むのが難しい場合は、1ページずつ交代で読んでも構いません。「1、3、5、7ページはお子さん、2、4、6、8ページは保護者様」というように分けるだけで負担は軽くなりますし、ママやパパと一緒にやっているという安心感を生むことにもつながります。
ステップ2、授業でやった問題
音読の次は授業でやった問題の復習に取り組みます。コースによって異なりますが、サピックスで2~4問程度に取り組んで帰ってきているはずです。サピックスで写してきたノートを見ながらでもいいので、「根拠は何ページ何行目に書かれているのか」「傍線部からどういう理屈で、その根拠となる箇所にたどり着くのか」を確認してください。そして最後に必ず、自分の手で正しい答えを書いてみましょう。ここまでやってステップ2が終了となります。
ステップ3、授業でやらなかった問題
サピックスで取り組んできた問題の復習が終わったら、サピックスでやらなかった問題にも取り組むことを強くおすすめします。取り組み方は以下の通りです。
- サピックスの教室と同じように、まずは自分で考えて問題を解いてみる。
- 得点をつける必要はないので、保護者様が〇か△か×をつけてあげる。
- 自分の解答と模範解答を見比べて「なにが足りないのか」「なにが間違っているのか」を確認する。4年生の生徒さんが一人で取り組むのは難しいので、これも保護者の方と一緒に取り組むといいですね。

模範解答を見て「ふーん、ここが足りないのかあ」で終わらずに、どうしてその要素を書くのかを一緒に考えてあげましょう。
ステップ4、内容を整理しよう
Bテキスト「問題編」の終盤に「内容を整理しよう」という課題が掲載されています。物語文の回であれば、各場面の人物の気持ちを整理するもの。説明文の回であれば話題や各段落の内容を整理するものとなっています。サピックスの先生からは必ず取り組むように指示されるはずですし、筆者個人としてもそう考えています。
ただ、問題があります。学力によっては想像以上に時間がかかってしまうことがあることです。そのため、たとえばステップ1の音読のあとに「内容を整理しよう」に取り組むと、それだけで疲れてしまって、ステップ2のサピックスでやってきた問題の復習に取り組めなくなってしまうことがあります。
「内容を整理しよう」はもちろん大切です。しかし、筆者はそれと同じぐらい、設問について考え、本文を読み取り、自分の手で答えにまとめる練習も大切だと考えています。もしおお子さんが「内容を整理しよう」だけで疲れてしまって、記述問題の練習にたどりつけないようでしたら、内容は保護者の方と口頭で確認するのに留めるのも一案かな……とも考えております。

ステップ4の「内容を整理しよう」に扱い方に関しては、生徒さんによって異なると思います。学力的になかなか取り組むのが難しいようでしたら、サピックスの先生に相談してみることをおすすめします。(国語が得意な生徒さんは必ず取り組んでくださいね)
復習の際の注意点|「理由」をはっきりさせる意識が大切!
4年生のうちに身につけておきたい記述問題の基礎があります。それは「理由」をはっきりさせる意識を持つことです。
たとえば物語文の設問では人物の気持ち・心情が問われることが大変多くなっています。このとき「気持ち言葉」だけでなく、「なぜその気持ちになったのか」を表す「理由」も必ずセットで書くことが大切です。
受験生が書く解答は読者(採点者)に読んでもらう説明文です。なにかを説明するときには「理由」をしっかり入れることで、相手に納得してもらいやすくなります。「とにかく早く宿題をやってしまいなさい」というよりも、「このあとみんなで食事に行くことになっていて、帰ってきてから宿題をやる時間がないかもしれないから、いまのうちに宿題をやっておこう」と伝えたほうが、お子さんは納得しやすいですよね。
このように「理由」→「気持ち」、「理由」→「結論」という流れをしっかり作ることを、4年生のうちに身につけておくといいと思います。これは5年生6年生になったときに役立つだけでなく、大学入試や社会人で納得感のある文章を書く土台になるはずです。
復習の際の注意点|気持ち言葉をたくさん覚えよう!
4年生のBテキストでは、物語文の数のほうが説明文より圧倒的に多くなっています。それでは、物語文を読むうえで大切なことはなんでしょうか。それは人物の気持ちを読み取り、答えに表現することです。
ただ、その気持ちを表す言葉を知らなければ人物の気持ちを理解できませんし、仮になんとなく理解できたとしても解答に表現することはできません。ですから、4年生のうちにできるだけたくさんの気持ち言葉と使い方を覚えてしまいましょう。
「問題・解答用紙」の冊子の終わりのほうに、付録として気持ち言葉が一覧になっていますので、使ってもいいですね。(時折、性格を問う出題がありますが、17番テキストの「解答・解説」に「性格を表す言葉」が一覧になっているので活用できます)
気持ち言葉を覚えていくときのポイントは、必ず本文のなかで描かれているシチュエーションと過去に自分が経験したことのある似たような状況を重ね合わせて、「なるほど、確かにそういう気持ちになったことがある」という実感として理解することです。
4年生だと「自分はそういう気持ちになったことがないからわからない」「自分はこういうときにそんな気持ちにならない」と反発してしまう子も多くいます。この場合は、「本文のようなことが起きたときに自分はこういう気持ちになるけれど、登場人物のような気持ちになる人もいるのだな」と想像させてあげることが大切です。自分と異なることを感じる他者もいるのだなと理解させてあげることで、少しずつ人物の気持ちを理解できるようになっていきます。
まとめ
4年生B授業のテキストの内容や復習方法、国語力の土台を作るために大切なことを紹介してきました。「なかなか大変だな……」と感じてしまった方もいらっしゃるかもしれません。ただ、国語力は長期的にじっくり養っていくものです。今回紹介したことにコツコツ実践していけば、6年生2月を気持ちよく迎えられるようになっているかもしれません。ぜひがんばって取り組んでみてほしいなと思います。応援しています!