はじめまして、浅野中学・高等学校のOBのSです。浅野中学・高等学校はJR京浜東北線「新子安」駅を最寄りとする、実業家浅野総一郎が創立した中高一貫の男子校です。今回は浅野中学・高等学校に6年間通った感想をみなさんにお伝えしようと思います。
校風が最大の魅力
浅野の最大の魅力は「文武両道」を掲げ、部活動や学校行事と勉強の両立を大事にしている点に尽きると思います。部活動等と勉強をひとつひとつ真剣に取り組むことで、相互に良い影響を及ぼす環境がそこにはあります。
中高一貫校ならではの先取り学習と自主学習
浅野では中高一貫校ならではの先取り学習を行い、高校3年生までの履修範囲を高校2年生で学習し終えます。部活動や学校行事に真剣に取り組みながら、勉強をおろそかにしない校風のおかげで、自然と勉強にも熱が入ります。
中学入試問題からも分かるように、基礎を重点的に押さえるのが浅野の授業です。部活動で更なるトレーニングを積んでいくのと同様に、勉強に身が入る環境や友人のおかげで、各教科についての応用的問題はおのおのの生徒が影響を与え合いながら自主的に取り組んでいる印象でした。
各教科の先生方は生徒の自主的な学習をより効率的なものにするため、質問対応や自作のプリント配布を行い、生徒の自主性を尊重しながらも手厚くサポートしてくれます。先生の中には担当教科以外も広く勉強していて、広範なアドバイスをくださる方もいました。
主要教科(英語、国語、数学)の特徴
主要教科の授業について紹介します。
英語|シャドーイングとネイティブの授業で耳を鍛える授業
中学時代の英語の授業ではシャドーイングの徹底やネイティブによる授業があり、耳を鍛える授業が多くありました。中学から高校1年生までは文法や構文の基礎的な学習が多く、高校2~3年生の問題演習を行う際の基礎固めができている状態でした。
国語・数学|中学時代は基礎固め中心
国語(現代文・古文・漢文を含む)・数学は先生方の自作の教材を中心に授業が行われます。中学時代から将来文理選択に関わらず、自身の進路に困らないよう基礎固めにぴったりな授業をしてくださいます。
進学先|東大、医学部、早慶
東京大学をはじめ多くの国立大学や医学部に進学する人がいるなか、ほとんどの生徒が早稲田大学・慶應義塾大学を受験するため、早慶の合格者数が多くいます(私の年は早稲田・慶應の付属校を除いて全国一位だったと記憶しております)。
私も慶應義塾大学を卒業しており、大学にたくさんの浅野生がいました!
部活動|個性を発揮して、勉強だけで終わらない
私が通学していたとき浅野には多種多様な部活動がありました。
【体育会系】
野球部 サッカー部 陸上部 バレーボール部 バスケットボール部
ハンドボール部 ラグビー部 アメリカンフットボール部 弓道部 アーチェリー部
ボクシング部 など
【文化系】
生物部 鉄道研究部 吹奏楽部 演劇部 囲碁将棋部など
中学高校の部活動としてはポピュラーなものだけでなく、さまざまなものがありました。先生方も部活動に協力的な方が多く、顧問の先生が生徒と一緒にランニングをする光景もいろいろな部活動で見ることがありました。また、二つ以上兼部している者や部活動に入りながらもバンド活動をしている人もいました。浅野では自分の個性を精一杯発揮し、勉強だけで終わることのない実りある学生生活を送ることができます。
多くの生徒が高校2年生~高校3年生の夏頃まで部活動に熱を入れます。面白いことに部活動を真剣に取り組んでいた生徒ほどその後の勉強の追い上げがすさまじく、トップスピードで学習を進め、偏差値を上げていく人が多くいました。
たとえば、部活動に熱心な人は「朝練」と称して早朝から学校でトレーニングや活動に励み、定期テスト前や高校3年生の時期には朝練をしていた時間に登校し、教室での自主学習にあてる人が多くいたのが印象的でした。
浅野は学校行事も本気
浅野では、学校行事も盛り上がります。
体育祭
部活動・勉強以外では、学校行事にも真剣に取り組みます。体育祭では男子校らしい熱量を体感できます。クラスごとに一体感を生み、いい意味で“馬鹿”になれるのはあの瞬間だけではないだろうかというほど楽しい時間です。
私の時代は「棒倒し」という攻めと守りに分かれ、相手チームの守る大きな丸太を倒す種目がありました。文化系・体育会系に所属しているのを問わず、生徒たちが本気で行うこの競技は圧巻です。
文化祭
私は文化祭実行委員の装飾部門でした。正門に飾るアーチを担当していたのですが、夜遅くまでに中学1年生から高校2年生までが一体となって文化祭の準備を行います。
文化祭は数日で終わってしまいますが、何ヶ月もかけて行う準備は本当にわくわくし、楽しいものでした。他の部門でも同じように全校生徒が協力して一つのものを作り上げる経験は貴重な思い出になると思います。
まとめ
生徒の自主性を重んじ、文武両道を掲げる浅野の環境は本当に魅力的です。魅力ある学校で個性を思う存分伸ばすことができたおかげで、私の同窓生は国内外・あらゆる業界で活躍しています。
浅野中学・高等学校での学びは私の人生においてもかけがえのない時間であり、浅野を卒業したことは現在も私の誇りです。