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中学受験で「全部落ちたら公立に行かせます」という親は子どものことを考えていない

「全落ちしたら公立に行かせます」で大丈夫? コラム

中学受験生のご両親と接しているとこんな会話になることがあります。

筆者「2/1が開成、2/2が聖光学院、2/3が筑駒、2/4が聖光学院、2/5が渋谷教育学園渋谷(渋渋)ですか……。これは本当のトップレベルにいるお子様の受験パターンです。少し危険かと……」
お母様「大丈夫です、全部落ちたら地元の公立に行かせて鍛え直しますから」
筆者「いや……(それは「大丈夫」と言わないのでは?)」

こうした言葉の背景には主に2つの心理が見て取れます。

1、わざわざ高い授業料を払ってまで私立(国立)中学に行かせるのだから、偏差値65以上の学校でなければ意味がない。
2、私の子どもなのだから、偏差値65以上の学校に行けるはずだ。

(数字はあくまでも参考例です)

実際にお母様からこのような意味のことを言われたこともあります。

ここでは例として「2月1日の開成、2月2日の栄光、2月3日の筑駒……」をあげましたが、これが仮に「2月1日の慶応普通部、2月2日の慶応湘南藤沢、2月3日の慶応中等部」でも「2月1日の麻布、2月2日の栄光、2月3日の浅野」でも、表れている心理としてはさほど変わりません。

実際にすべての学校に不合格になってしまった場合、保護者の言うように地元の中学で鍛えなおすことができるのでしょうか。

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すべての中学校に不合格になってしまった子を鍛え直すことはできる?

結論から書くと、中学受験ですべての学校に不合格になってしまった子を「公立で鍛え直す」と考えることは非常にリスキーです。

公立中学の環境を考えてみましょう。机を並べているのは基本的に、中学受験の勉強をしてこなかった子たちです。なかには学校の宿題すらほとんど提出したことがなく、遊んでばかりだった子もいるでしょう。勉強のレベルは受験勉強をしていたころと比較すると驚くほど低く、はじめはとても簡単に思えるはず。その一方で、周囲の子には毎日学習する習慣がなく、なかには定期テスト前なのに遊びまわってしまう子も……。もちろん、中学受験をしなかったお子さんのなかにも、一所懸命勉強する子はいるはずです。ただし、勉強のレベルは比較的低いはず。中学受験の勉強をした子であれば、さほど苦労せずに学年トップレベルの成績を取れるでしょう。

筆者は決して「公立中学に進学してはいけない」と言いたいのではありません。しかし、このような環境のなかで「鍛え直す」には、周りの子に引きずられずに勉強する強い意志が必要になります。これは非常に難しいことです。

中学入試ですべて不合格になって公立に進学した子は大きな挫折感を抱えています。小学生時代に本気で勉強に取り組んだ子ほどこの思いは強いもの。そんな気持ちを抱えた子が「3年後を目指してがんばりなさい。高校入試でリベンジするのよ」と言われても、なかなか努力する気になれないということは容易に想像できます。まして、それまでの3年間で疲労はピークに達しているのです。

筆者は、中学受験に失敗し公立に進学、高校では常にトップ10をキープしたあとに早稲田大学に進学した子を知っています。しかし、逆に公立でやる気になれず勉強しなくなり、大学にさえ進学できなくなってしまった子も知っているのです。

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子どもも納得済みは信用できる?

「全部不合格になってしまった場合、公立に行くということについて子どもも納得済みですから」

お父様やお母様とお話ししていると、こんな言葉を聞くこともよくあります。しかし、それはあくまでも「12歳の子どもの納得」です。中学入試の壁がどれだけのもので、不合格になったらどういうことになるのか、本当にわかったうえでの「納得」なのかはわかりません。自分では納得していたつもりなのに、公立に進学しなければいけなくなった現実を前に受け入れられなくなってしまうこともあるのです。また、本当は納得していないにもかかわらず、お母さんに「納得していると言え」と言われているような気がしてしまい、納得しているフリをするケースもあります

いずれにしても、本当に子どもが納得しているかということについては疑問符がつくと言わざるを得ないでしょう。

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子どものためにご両親がすべきこと

「わざわざ高い授業料を払ってまでレベルの低い中学校に通わせなくても、私の子どもならきっとA中学に合格してくれる」という気持ちもわからなくはありません。しかし、現実として偏差値がその学校に届いていないのであれば、しっかりと“保険”をかけておくべきです。

・2/1が第一志望なのであれば、2/1の午後や2/2以降に合格可能性が高い中学校を入れませんか?
・2/2が第一志望なのであれば、2/1で合格をもらっておきませんか?

必ずしも志望順位の高い学校でなかったとしても、合格を取っておけば選択肢ができます。それ以外の受験校にすべて不合格となってしまっても、「合格をもらった私立中学か地元の公立中学に進学」という選択ができるのです。

ご両親とお子さんで話し合った結果、志望順位は高くなかったけど「私立のほうがいいかも……」というのであれば合格している学校に進学することができますし、「やっぱり公立で鍛え直したい」というのならお子さんともう一度話し合って本当に納得したうえで公立に進学させることができます。この場合は、「合格した中学校があったけど、自分の意志で公立に進学した」という、ある種の自信を持たせることもできなくはありません。

私立中学でも公立中学でも、実際に進学して6年(あるいは3年)通うのはお子さん本人です。「すべて不合格になったら公立に行かせます」ではなくて、納得のいく入試になるよう選択肢を作ってあげるのが親の仕事なのではないでしょうか。

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まとめ

・「中学受験にすべて落ちたら公立で鍛え直す」という考え方はリスクが高い
・公立で諦めずに勉強を続けられる子がいる一方で、大きな挫折感から勉強する気をなくしてしまう子もいる
・「中学受験にすべて不合格になった場合は公立に進学するというのは子どもも納得済み」は信用できるかどうか疑わしい
・中学受験ではとにかくどこかに合格しておくことが大切。最終的に合格した中学校に進学するか公立に進学するかの選択肢ができる
・「合格した中学校があったけど、高校受験でさらに飛躍するために自分の意志で公立に進学した」という自信を持たせることにもつながる

「すべて落ちた場合は公立で鍛え直す」は難しいものです。チャレンジ校ばかりを受験するのではなく、合格可能性の高い学校をスケジュールに組み込んでおきましょう。最終的に私立に進学するか公立に進学するかは、すべての入試が終了したあとに考えても遅くはありません。