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中学受験では第3志望の私立よりも公立に進学したほうがいい?

コラム

中学入試の結果は、2/6ごろまでに出そろいます。第1志望校に合格した受験生が連絡してくる声を聞くと、講師として本当にうれしくなるものです。

一方、この時期にご両親からある質問をいただくことがあります。「合格した中学校が志望順位の低い学校だったので、地元の中学校に進学させたほうがいいのではないでしょうか」というものです。

その気持ちは、もちろんわからなくもありません。「志望順位が低い=希望する偏差値よりも低い」という構図になっていることが多いからです。わざわざ私立中学校に通わせるのだからある程度の偏差値でなければ……という心理があるのですね。

筆者はそれでもこう思います。

第1志望校や第2志望校でなくても、私立中学に進学させるべきです。なぜでしょうか。

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私立中学は勉強する環境が整っている

私立中学に入学するのは、少なくとも中学受験を経験してきた子どもたちです。基本的な学習習慣はついていますし、中学校での学習内容を理解するのに必要な基礎学力はあるはず。抽象的な事柄を論理的に考える力や一つの事象を客観的・多面的にとらえる力も、あるレベル以上に育っています。

一方の公立中学はどうでしょうか。もちろん中学受験を経験していなくても、勉強をがんばってきた子はいるはずです。論理的思考力や客観的に物事を見る力を養ってきた子もいるかもしれません。実際、高校受験は大学受験で難関校に進学する子はたくさんいます。

しかし、公立に進学する子の多くは入学時にこうした力を身につけていないはずです。もしかすると学習習慣がついておらず、「え、宿題ってやるものなの?」、「中間テストの勉強? やならきゃいけないの?」と考える子もいるかもしれません。

誤解してほしくないのは、筆者は公立中学を否定しているわけではありません。本来、ここに挙げた生徒像が、一般的な中学1年生の姿なのだと思います。また、勉強以外の面を考えれば、公立中学には公立中学のいい面がたくさんあるとも考えています。

ただ、せっかく合格した中学校があるのに、わざわざ公立中学に進学させる必要はないと思うのです。中学受験を経験した子は、公立に入学する子とは比較にならないほど、精神的に強くなっていますよね。そうであれば、同じようにたくましくなった子たちと机を並べさせてあげるべきなのではないでしょうか。

「入試の最中に眠っている受験生がいる」「あきらめてシャープペンシルで遊んでいる受験生がいる」。こんな私立中学があるという話を聞いたこともあります。合格したのがこうした中学校なのであれば、公立に進学するというのも選択の1つかもしれません。

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私立は高い教育水準を維持するのに努力している

私立中学の価値は学力だけではありません。教育方針や校風、施設や設備、中高一貫だから実現できる他学年とのつながり、OB・OGとのつながりなど、たくさんのものがあります。

しかし、進学実績はどうしても気になるもの。「この学校に入学させて、ちゃんと学力を伸ばしてくれる?」「将来的にはどんな大学に行ける?」。本来、中学・高校は大学受験予備校ではありません。そうわかっていても、親として無視するわけにいかないのですよね。

私立中学は一般的に、こうしたご両親の気持ちをよく理解しています。そのため、高い教育水準を維持できるように学校全体で努力しています。また、中学入試の偏差値が高くなくても、進学校化に向けて本気で取り組んでいる学校もあります。こうした取り組みは、毎日の授業に反映されるもの。必然的にお子さんは質の高い教育を受けられるわけです。

公立のなかにも、学力向上に努めている中学校はあるかもしれません。しかし、地元の公立中学校がそうだとは限りません。私立のほうが、高水準の教育を受けられる可能性があると考えるのは当然でしょう。

最近は英語教育に力を入れている学校が増えています。「ネイティブの先生が常駐」「海外からの留学生と交流を持てる」「英語による発表プログラムがある」などは非常に魅力的です。地元の公立中学ではこうした取り組みはおこなわれているでしょうか。

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トレンドは「高校募集の停止」

「中学受験と高校受験では偏差値が異なる」以前の話なのですが、最近は高校募集を停止するのがトレンドです。直近では、成城、本郷、豊島岡女子学園が高校募集を発表して大きなニュースになりました。最近では、私立だけでなく公立でも高校募集を停止する流れが起きています

この流れがどこまで続くのかは定かではありません。しかし、いま高校募集を続けている中学校が、突然停止する可能性もあるわけです。そうであれば、合格した私立に入学するのは、悪い選択ではありません。

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公立に進学するのなら気をつけること

筆者個人としては、合格している私立中学があるのなら進学すべきだと考えています。しかし、それでも公立に進学するのなら、気をつけたいことがあります。

中学受験を経験したお子さんには、基礎的な学力や毎日の学習習慣が身についているはず。一方、机を並べているのは小学校の内容を覚えているかわからないお子さんたちです。中学受験を終えた子が変わらずに勉強すれば、簡単に学年トップレベルになれるでしょう。

ただ、これはあくまで中学受験で培った学力でリードしているだけのこと。油断して勉強を怠ると、いつのまにか授業についていけなくなっていた……という状態になってしまいかねません。

公立に進学するのなら、絶対に勉強をやめないこと。これが3年後の高校受験を成功させるための条件です。

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まとめ

第1志望や第2志望でなくても、公立でなく私立に進学させたほうがいい理由をまとめます。

・私立中学は勉強する環境が整っている
・私立は高い教育水準を維持するのに努力している
・中学受験と高校受験では偏差値が異なる
・トレンドは「高校募集の停止」

最後にもう一度書くと、筆者は公立中学そのものを否定しているわけではありません。それでも、合格している私立中学があるのであれば、基本的には進学すべきだと考えています。

進学教室サピックスに国語科講師として約14年半勤務。α1~Aコースまで担当しました。「がんばる子の隣で一緒に勉強したい」という願いを叶え、2019年12月から家庭教師として活動中です。今後も「隣にいる人の幸せのために」を忘れずに、中学受験生と一緒に学習したいと思います。

プライベートでは5歳の娘の育児に奮闘中。親としての先輩であるお母様、お父様からさまざまなことを学ばせていただいています。

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