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中学受験生が「塾がたのしい!」「塾がないとつまらない!」と言い出したら確認したいこと

コラム

中学受験生と話していると「塾がないとつまらない」と聞くことがあります。逆に言えば塾が楽しいということですから、講師としてはこれほどありがたいことはありません。お父様やお母様にとっても、子どもが塾に行くのを楽しみにしているのは嬉しいことのはずです。でも、ちょっと待ってください。実は、手放しで喜べないケースがあります。

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子どもが「塾がないとつまらない」という理由

中学受験に挑む子どもにとって、学校の授業は退屈なものになりがちです。いつも塾で解いているものよりも数段レベルの低い問題。しかも、それを30分以上かけて解くクラスメイトもいます。さらには途中で問題を解くのに飽きて遊び出してしまう子も……。学力の高い子ほど、物足りなさを感じながら椅子に座っているのです。

一方、塾は学校とは正反対の環境です。見たこともないハイレベルな問題。そして、試行錯誤しながらそれを解いていくクラスメイトたち。子どもたちは競うようにしてより難易度の高い問題に挑戦していきます。授業を担当する講師たちはさまざまな知識で子どもたちの好奇心を刺激。クラスメイトにもさまざまな分野の“博士”がいて面白い話を聞かせてくれます。

ここまで環境が異なれば、中学受験生が「塾がなくてつまらない」と言い出すのは当然のことだと言えるでしょう。

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注意しなければいけない「塾は楽しい!」

子どもが「塾は楽しい!」と言い出したら、学校とは異なるレベルの勉強を楽しんでいるということになります。親御さんにとっても喜ばしいことでしょう。ただ、2点だけ気を付けたいことがあります。

「塾は楽しい!」の2つの意味

「塾は楽しい!」「塾がないとつまらない」という言葉には、実は2つの意味があります。

1つはストレートに「塾の勉強が楽しい」という意味。この意味で言っている子は、本来の目的である勉強そのものを楽しんでいると考えられます。我々塾講師にとっても親御さんにとっても、本当に嬉しいことですね!

もう1つは、「塾の友だちに会うのが楽しい!」(「塾の友だちに会えなくてつまらない」)という意味です。塾には学校にはいない友だちがいます。もちろん子どもが誰とも口を利かず勉強ばかりしていたとしたら、それはそれで心配です。しかし、逆に勉強よりも友だちと騒ぐのが楽しいという子も実はいます。講師1人では騒ぎすぎる子どもたちを抑えることができず、講師2名以上で授業を管理する塾もあるそうです

もしお子さんが「塾の友だちとふざけるのが楽しい」という意味で「塾が楽しい!」と言っていたら、後で大きな問題になってしまう危険性があります。

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勉強には本気で取り組んでいる?

中学受験の勉強をしているとさまざまなことがあります。努力したのにもかかわらず成績が伸びず悔しい思いをすること、落ち着いて取り組めば解けるはずの問題をテストのときに間違えてしまうこと、いくら説明されてもどうしても理解できないこと……。決して楽しいことばかりではないのです。

こういうことまで含めて「楽しい」と言っているのであれば問題ありません。その子は、半分大人と言えます。しかし、そうでないとしたら、まだまだ本気で勉強に取り組んでいないのかもしれません。

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子どもが「塾は楽しい!」「塾がないとつまらない」と言い出したら確認すること

子どもが「塾がないとつまらない」と言ったら、以下の点を確認してみましょう。

  • 本当に勉強を楽しんでいるのか? 友だちと会えないことだけがつまらないのではないか?
  • 勉強に本気で取り組んでいるか?

ただし、子ども本人に直接聞くのは避けるのが無難です。「親は僕が塾で遊んでいると思っているんだ……」と考えてしまい、親子の信頼関係に亀裂が生じる危険があります。おすすめなのは塾に電話をして子どもの様子を聞いてみること。事情を話せば、塾での様子を教えてくれるはずです。

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まとめ

  • 「塾が楽しい!」は本来喜ばしいこと
  • そうだとは言え、子どもの「塾が楽しい!」には2つの意味があることに注意
  • お子さんが「塾は楽しい!」と言い出したら、「本当に勉強に取り組んでいるか?」「勉強に本気で取り組んでいるか?」とチェック

皆さんの中学受験がより良いものとなりますように!

進学教室サピックスに国語科講師として約14年半勤務。α1~Aコースまで担当しました。「がんばる子の隣で一緒に勉強したい」という願いを叶え、2019年12月から家庭教師として活動中です。今後も「隣にいる人の幸せのために」を忘れずに、中学受験生と一緒に学習したいと思います。

プライベートでは5歳の娘の育児に奮闘中。親としての先輩であるお母様、お父様からさまざまなことを学ばせていただいています。

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