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中学受験塾の上位クラスと下位クラスのメリット&デメリット

コラム

中学受験をする目的は「志望校に合格すること」です。そのためには成績を上げなければいけません。ですから、塾で上位クラスを目指すのは当然のことだと言えます。でも、本当に塾でクラスを上げることだけが正しいのでしょうか。実は、上位クラスにいることにも下位クラスにいることにもメリットとデメリットがあります。

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上位クラスにいることのメリット&デメリット

まずは上位クラスにいることのメリット&デメリットを紹介します。

上位クラスにいることのメリット

上位クラスにいることのもっとも大きなメリットは、ハイレベルな授業を受けられることです。上位クラスの生徒は、男子なら筑波大学附属駒場、開成、麻布、駒場東邦、武蔵、聖光、栄光など、女子なら桜蔭、女子学院、豊島岡などを受験します。塾はこうした中学校への合格者数を保護者にアピールする必要があるため、上位クラスにいる受験生を非常に大切にします。当然、授業の力が高い講師がこのクラスを担当することになるのです。

ちなみに、ここで言う「ハイレベルな授業」とは必ずしも「難しい問題の解き方を教えてもらえる」という意味だけではありません。さほど難易度が高いわけではなくても、「複数の視点で解いてみる」ことで子どもたちの知的好奇心が刺激されることがあります。授業中に「あ~、なるほど」「そうか、おもしろい」「深い!」などの言葉が出るのは、こうした授業が展開されているとき。学力の高い受験生は一つの問題を多面的に考えることができるので、勉強本来のおもしろさを感じることができるのです。

上位クラスにいることのデメリット

筆者が以前担当した受験生のなかにこんな子がいました。彼女は6年生がはじまった段階では偏差値50前後の子でした。春ごろから少しずつ頭角を現しはじめ、秋に差し掛かるころ上位クラスに。私たち講師陣もその力の伸び方に驚いていました。ところが、入試まで2ヶ月を切ったころ、彼女は上位クラスから振り落とされてきたのです。筆者が事情を聞いてみると、彼女は苦笑いしながらこんなふうに答えてくれました。

まわりの人のレベルがあまりに高くてついていけませんでした

塾では学力に応じた授業が行われます。下位クラスであればみんなが理解するまで丁寧に教えてもらうこともできますが、上位クラスでは勉強ができる生徒に合わせて授業が行われるため待ってもらうことができません。そのため下位あるいは中位クラスの子が6年になってから努力して上位クラスに入ると、そのレベルの高さについていけなくなってしまうことがあるのです。

彼女から「自分は精一杯やった!」という雰囲気が出ていたことが救いだったのですが、少し申し訳ない気持ちになりました。ちなみに、彼女はそこから2ヶ月さらに努力を重ね、首都圏で1、2を争う共学の中学校に進学しました。

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下位クラスにいることのメリット&デメリット

下位クラスのメリットとデメリットを紹介します。

下位クラスにいることのメリット

お子さんに上位クラスを目指させるご両親には信じられないことかもしれませんが、下位クラスにいることにもメリットがあります。

下位クラスにいることのもっとも大きなメリットは、比較的ゆっくり丁寧に教えてもらえるということです。塾によっては上位クラスと異なるテキストを使っているため、可能な限り無理のないペースで学習を進めることができます。

下位クラスの指導に慣れた講師が担当することが多いのもメリットの一つ。ご両親は「上位クラスを教えている講師=力のある講師、下位クラスを教えている講師=力のない講師」と考えがちです。しかし、実は上位クラスを教える力と下位クラスを教える力はまったくの別物。下位クラスを教えることに慣れている講師は、「下位クラスの受験生がどこでわからなくなるのか」を経験的に知っています。だからこそ、彼らにふさわしい授業ができるのです。

下位クラスにいることのデメリット

下位クラスでは基礎的な授業が展開されることが多くなります。基礎力が身についていない子が多いため仕方ないことではあるのですが、下位クラスのなかでも上位にいる受験生にとってはやや物足りないかもしれません。

受験に対する意識が低い子が多いのも事実。中学受験塾とは言え、教室にいるのは12歳の小学生です。上位クラスに目の色を変えて勉強する受験生が集まる一方で、下位クラスにはふざけてばかりの子が集まりがち。「朱に交われば赤くなる」ということわざがありますが、自分の気持ちをしっかり保って勉強できる子でないと流されてしまうことがあります。

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まとめ

【上位クラスにいることのメリット】

  • 授業力の高い講師からハイレベルな授業を受けられる
  • 知的好奇心が満たされる

【上位クラスにいることのデメリット】

  • 無理をして上位クラスに入った場合、レベルの高さについていけなくなることある

【下位クラスにいることのメリット】

  • 下位クラスの受験生がどこでわからなくなるのかを知っている講師から丁寧な授業を受けられる

【下位クラスにいることのデメリット】

  • 基礎的な授業ばかりになる
  • 受験への意識が低い生徒が集まりがち

中学受験をする最大の目的が志望校に合格することである以上、中学受験塾で上位クラスを目指すのは間違ったことではありません。むしろ正しいことです。ただ、「上位クラスにさえ入れば志望校に合格できる!」と盲目的に考えるのは危険。それぞれのクラスにいることのメリットとデメリットを理解したうえで、日々の学習が意味のあるものになるよう心がけてください。

進学教室サピックスに国語科講師として約14年半勤務。α1~Aコースまで担当しました。「がんばる子の隣で一緒に勉強したい」という願いを叶え、2019年12月から家庭教師として活動中です。今後も「隣にいる人の幸せのために」を忘れずに、中学受験生と一緒に学習したいと思います。

プライベートでは5歳の娘の育児に奮闘中。親としての先輩であるお母様、お父様からさまざまなことを学ばせていただいています。

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