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サピックスの「SS特訓」とは?受けない選択はある?クラス分けや昇降、宿題(家庭学習)についても

サピックスのSS特訓、クラス分けや昇降について サピックス

サピックスでは6年生後期になると、日曜日に「SS特訓」がスタートします。「SS特訓」とは「Sunday Sapix(サンデーサピックス)」のこと。火曜と木曜の「平常授業」、土曜日の「土特(土曜志望校別特訓)」にプラスして、この「SS特訓」がスタートするということです。

授業回数は9月から1月までの5か月間で全14回。「合格力判定サピックスオープン(SO)」のある日曜がお休みになることや、12月最終週から1月第1週にかけて冬期講習と正月特訓が実施されるため、5か月間という期間に比べて少し少なくなっています。それでは、SS特訓とは具体的にどのようなものなのでしょうか。

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SS特訓の特徴と目的

SS特訓は、1日の授業が「志望校別講座」と「単科講座」に分かれているのが特徴です。それぞれ、どのようなこと目的にしているのでしょうか。

志望校別講座

志望校別講座では、その名の通り志望校に特化した対策授業を実施します。開成、麻布、武蔵、駒東、桜蔭、女子学院といった名前のついているコースで、それぞれの中学校の問題傾向にあった対策をするのが目的です。授業時間は4科目で5時間20分となります。

実際には、「筑駒・開成」「聖光・浅野」「渋谷渋谷・豊島岡」「桜蔭・女子学院」「雙葉・フェリス」「洗足・鷗友」「浅野・サレジオ」「逗子開成・鎌倉学園」「横浜雙葉・横浜共立」などのように、学校名を合わせたコース名になっていることがあります。

単科講座

算数、国語、理科、社会のなかから2科目を選択して受講できるのが単科講座です。得意科目のさらなる向上や苦手科目の克服を目指します。1科目につき1時間40分、2科目合計で3時間20分の授業時間です。

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SS特訓の授業時間は?

SS特訓は9月から1月の毎週日曜9時00分~18時40分に実施されます。

・曜日:毎週日曜(6年生後期のみ)

・時間:9時00~18時40分(授業前テストは基本的にありません)
※志望校別講座=5時間20分/単科講座=3時間20分/昼テスト=30分程度

コマとコマのあいだの休み時間はありません。休み時間がないのはサピックスの特徴の一つで、平常授業や土曜特訓と同じですね。

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コース分け(クラス分け)とコース昇降は?

SS特訓のコース分けは、志望校別講座と単科講座で別々におこなわれます。

志望校別講座

志望校別講座のコース分けは、基本的には実際の志望校の通りにおこなわれることになります。開成中学への進学を希望する受験生は「開成コース」、桜蔭中学への進学を希望する受験生は「桜蔭コース」で受講するということです。また、同じ学校の志望者が多い場合は、「開成1」「開成2」「開成3」というようにコース名に数字がついて分けられることがあります。

5月の「GS特訓」、夏休みの「夏期志望校別錬成特訓」で経験しているので、わかりやすいと思います。

コース昇降は、毎回の演習授業で出る授業点と昼テストの得点の合計によっておこなわれるのが基本です。同じ中学校名で複数のコースがある場合は、たいてい上位1~2名が上がり、下位1~2名が下がります。その時々の受験生の得点やコースの所属人数によって昇降する人数が決まるため、明確な基準があるわけではありません。

こうしてコースを変更したうえで、席の並び順を決定します。席の並び順も、視力の関係で前方の席にいないと黒板が見えないというような特定の事情がない限り、基本的には得点順です。高得点の受験生が前列、得点が下がるにつれて後列になります。

いっぽう、ひとコースしかない場合は、席の並び順のみの変更です。

シンプルに授業点と昼テスト点の合計点で昇降が決まるというのは、シビアな入試を意識するうえで非常に大切だと思います。「得点が低かったけれど、がんばったから上のコースにいける」「得点は高かったけれど、やる気がみられなかったから下のコースになる」というようなことは起きないはずです。

単科講座

単科講座については、SS特訓スタート前に選択した科目を受講することになります。マイページではなく、校舎から配布される書面で受講登録するはずです(2022年度現在)。

たとえば、国語であれば「記述表現力講座」と「読解力講座」があります。複数のコースがある場合は、「読解力1」「読解力2」「読解力3」のように数字をつけて分けているのが一般的です。

コース昇降は、志望校別講座と同じく得点によりおこないます。コースの人数やその時々の受験生の得点によりますが、たいてい上位1~2名が上へ、下位1~2名が下へ移動するはずです。席順も志望校別講座と同様、得点の高い受験生が前列、低くなるにしたがって後列となります。

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国語の教材の形式は?

筆者が普段教えている国語について、詳しく説明します。

志望校別講座

志望校別講座の教材は、各中学校の問題傾向にあった演習問題となります。「開成対策プリント」「桜蔭対策プリント」「麻布対策プリント」「駒東対策プリント」「武蔵対策プリント」「女子学院対策プリント」「雙葉対策プリント」「フェリス対策プリント」といった教材を使います。

ただし、すべての中学校の対策プリントがあるわけではありません。「聖光学院対策プリント」「豊島岡対策プリント」「渋谷渋谷対策プリント」「浅野対策プリント」「サレジオ対策プリント」などはないため、「最難関対策プリント」や「難関中対策プリント」という教材を使うことになります。

「対策プリントがないなんて大丈夫?」と感じるかもしれませんが、問題はありません。「最難関プリント」は聖光学院、豊島岡、渋谷渋谷といった中学校の問題に十分対応できるように作られていますし、「難関中対策プリント」はあらゆる学校の対策に十分であるようにつくられています。

単科講座

単科講座では、毎回1冊のテキストが配布されます。「文学的文章(標準問題)」と「文学的文章(発展問題)」、「説明的文章(標準問題)」と「説明的文章(発展問題)」の4題構成となっており、そのうち2題に取り組むのが一般的です。どの問題に取り組むかは担当の講師がコースの状況を考慮したうえで決定しますので、指示にしたがいましょう。

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復習の方法、宿題(家庭学習)は?

志望校別も単科もできるだけ復習しましょう。復習の仕方は平常授業や土曜特訓と同じです。根拠を明らかにして、考え方をしっかり確認していきましょう。SS特訓がはじまるまでサピックスに通ってきた受験生であれば、どのように復習すべきか、ある程度理解していると思います。

ただし、6年生後期はSS特訓だけでなく、過去問にも取り組みはじめる時期です。具体的には以下のようなメニューを毎週こなすことになります。

  • 平常授業×週2日(算数、国語、理科、社会)
  • 土曜特訓×週1日
  • SS特訓×週1日
  • 志望校の過去問

これにプラスして月1~2回の模試があります。これらのすべてを同じようなウェイトによって復習するのは難しいと思います。大切なことは、学習を可能な限り授業内で完結することです

授業中に集中して取り組み、解説を理解することで、家庭学習の負担を大きく削減できます。校舎によっては、復習の優先順位を指示していることがあります。

家庭学習の取り組み方については、以下の記事のなかで詳しく説明しています。

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SS特訓の算数については、以下の記事にまとめました。

SS特訓の算数については、以下の記事にまとめました。

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SS特訓を受けないのはあり?

「SS特訓を受講しないのはありですか?」

多くはないのですが、こう聞かれることがあります。日曜日に丸一日塾の授業に使うより、自分で(家庭で)勉強したほうがいいということのようです。

結論を言うと、SS特訓を受けない選択肢はありません。サピックス生であれば、SS特訓を受講すべきだと考えます。

SS特訓を受講すべき理由1 授業内容が実践的である

SS特訓は志望校別講座と単科講座に分かれています。

志望校別講座は、各中学校に特化した対策授業が実施されます。過去の入試問題の研究によって作成された問題ばかりなので、質の高い問題が並んでいるのが特徴です。こうした問題を14回分も解くことは、合格力の向上に役立つと思います。

いっぽうの単科講座では、たとえば「読解力講座」の場合、入試レベルではありながらも比較的オーソドックスな問題を解くことで、合格に必要な基礎力を強化するのが狙いです。「砂上の楼閣」という言葉がありますが、受験勉強も基礎的な力をしっかりつけなければなりません。ベースをしっかり固めるのに役立ちます。

SS特訓を受講すべき理由2 同じ中学校を志望する受験生が刺激しあえる

SS特訓の教室には、基本的に同じ中学校を志望する受験生が集まっています。これが大きな刺激になることは間違いありません。SS特訓の性質上、席順によって他の子の得点がある程度わかります。そうであれば、教室内で競争が生まれるのはごく自然なことです(ここでは、成績で競争することの是非は問いません)。「あの友だちに負けたくない!」「いつも前方の席に座っているあの子に追いつきたい!」。こういった気持ちが学力の向上につながっていくのです。

また、同じ中学校を志望する友人が一緒だからこそ、8時間40分もの長時間、集中して勉強できるという面もあります。仮に、日曜日の通塾をやめて一人で学習していたとしても、これだけの勉強時間を確保するのは難しいのではないでしょうか。

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SS特訓についてよくある質問

SS特訓についてのよくある質問をまとめていきます。

Q:単科講座は2コマあるとのことですが、どのように選択すればよいでしょうか。

A:単科講座は得意科目1コマと苦手科目1コマを受講するとよいと思います。「苦手科目2コマではよくないですか?」というご質問をいただくことがありますが、おすすめできません。私たち大人も「毎週日曜日は苦手なことを3時間20分続けなさい、そして克服しなさい」といわれたらどうでしょうか。「日曜になってほしくないな……」という気分になりませんか? 小学生であればなおさらです。得意科目1コマと苦手科目1コマの受講を検討しましょう。

Q:サピックスに通塾していない外部生は受講できますか?

:普段は別の塾に通っている受験生でも、SS特訓を受講することはできます。ただし、申し込めば受講できるわけではなく、入室テストに合格する必要があります。

Q:8時間40分もの長時間、授業を受けて来られるか心配です。大丈夫ですか?

A:「授業時間が長くてとても受けられない」という子を見たことはありません。9月のはじめは「長いな」「疲れたな」と言っていたような子も、すぐに慣れていきます。中学受験生は本当にすごいですね。

ただ、トイレに立つようなことがなければ数時間座っている状態になるため、「エコノミー症候群」が心配ではあります。筆者は定期的に屈伸運動をしてもらっていました。もし心配なようでしたら、校舎に問い合わせてみるとよいでしょう。

Q:子どもが通っている校舎ではSS特訓を実施しないと聞きました。受講できないのでしょうか。

SS特訓は、一部の小規模校では実施されておりません。近隣の大規模校(中規模校)に行って受講することになります。受講できないということはありません。

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SS特訓を受講する際、絶対に気を付けるべきこと

最後に、筆者が個人的に「SS特訓を受講する際、絶対に気を付けるべき」だと考えていることをお伝えしたいと思います。

それは自分の志望校と学力に合ったコースで受講することです。

単純な注意点ですが、非常に重要だと考えています。それを理解するために、2つのケースを見てみましょう。

ケース1 志望校と自分の学力が合わない場合

たとえば「志望校はX中学だが、学力があまりにも足りない」というケースがあります(具体的な学校名は控えますが、志望校の偏差値は60以上、自分はたとえば50に届かないというような場合です)。

この場合、X中学の対策コースに入ってしまうと、結果的には無駄になってしまうことがあります。「一所懸命がんばれば、いずれ学力がX中学に追いつくはず!」という気持ちももちろんわかるのですが、あまり意味のない日曜日を過ごすことになりかねません。

ケース2 志望校の問題と対策問題が合わず、自分の学力も足りない場合

「自分の第一志望校は選択と抜き出しが中心のY中学。しかし、SS特訓では記述中心のX中学の対策問題にばかり取り組んでいる」というケースもあります。

本当に学力のある受験生の場合、このケースでもさほど問題はおきません。むしろ「読み→考え→記述する」というプロセスのなかで学力が飛躍的に伸びていくことがあります。

一方そうでない受験生の場合、不必要な記述問題にばかり取り組むことで解答の緻密さを失っていくことがあります。「とにかくたくさん書けば得点になるはず!」と間違った認識で練習を重ねてしまうことがあるからです。

緻密さを失うと、以前は解けたはずの選択問題や抜き出し問題も解けなくなっていきます。筆者は、6年生後期にこうした問題を抱えてしまった受験生を見てきました。

その根底には、所属コースと学力のミスマッチがあると考えています。たとえば「X中学3」というコースから、「X中学2」「X中学1」になかなか上がれず、本来はX中学が志望校でないのだとしたら、コース変更を検討すべきではないかと思います。

SS特訓の志望校別講座では、各中学校の問題傾向を研究した対策問題を解くことになります。だからこそ、自分の志望校と学力に合ったコースで受講することが非常に大切なのです。

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まとめ

サピックスのSS特訓について、まとめました。6年生の後期はわずか5か月しかありませんが、中学受験勉強のなかでもっとも大きく力を伸ばせる時期でもあります。この記事が皆さんの参考になることを願っています。

この記事は筆者が14年半サピックスに勤務した経験から書いていますが、サピックスの公式見解とは異なる可能性があります。不明点・疑問点については通塾している校舎に問い合わせるといいでしょう。

進学教室サピックスに国語科講師として約14年半勤務。α1~Aコースまで担当しました。「がんばる子の隣で一緒に勉強したい」という願いを叶え、2019年12月から家庭教師として活動中です。今後も「隣にいる人の幸せのために」を忘れずに、中学受験生と一緒に学習したいと思います。

プライベートでは5歳の娘の育児に奮闘中。親としての先輩であるお母様、お父様からさまざまなことを学ばせていただいています。

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