「うちの子をサピックスに通わせてみようかな」と考えたとき、まず迷うのは「家から多少遠くても自由が丘校や東京校、成城校、吉祥寺校、横浜校、西船校のような大規模校に通わせるべき? それとも家から近い小規模校に通わせるべき?」ということではないでしょうか。
「サピックスに通わせてみよう」と考える保護者の方々は、開成や桜蔭といった難関中学の合格実績を参考にしますよね。この視点で校舎を選ぶと「大規模校のほうがよさそう」となります。これはこれでもちろん正解です。
ただ筆者としては、小規模校への通塾を真剣に検討してみることをオススメします。実は小規模校には大規模校では得られない大きなメリットがあるのです。
サピックスの大規模校舎 メリットとデメリットは?
まずは大規模校舎のメリットとデメリットを確認してみましょう。
大規模校舎のメリット
大規模校舎のメリットは、競争相手がとにかく多いこと。
大きな校舎にはお子さんと同じような偏差値の子がたくさん通っているもの。このような環境では「組み分けテストやマンスリーテストでたった1問ミスしてしまっただけでコースが落ちてしまった、あるいはコースを上がれなかった」というような経験をすることがあります。お子さんたちは1点の重みを自然と理解できるのです。こうしたプレッシャーにさらされたお子さんが、入試本番で力を発揮するのは当然のことだと言えます。
また人数が多いため、お子さんの偏差値に合ったコースで授業を受けられるのも大きなメリットです。大規模校舎では、同じぐらいの偏差値のお子さんだけでコースが編成されています。講師は教室の子どもたちが一定の範囲内にいることを前提に授業を展開できるため、効率的に授業が進んでいくのです。
大規模校舎のデメリット
大規模校舎のデメリットは、わずか数点でコースが変わってしまうこと。そして、その結果、担当する講師が変わってしまうことです。大規模校舎では偏差値が少し違うだけでコースがいくつも上下してしまい、講師が変わってしまうことがあります。「いまのコースで教えてくれるX先生はとってもわかりやすいので、ずっとこの先生に教わりたいのですが……」という希望は残念ながら通りません。新しいコースで教わった講師がお子さんに合わなくても、その先生に合わせてがんばっていく必要があるのです。
大手集団塾であることを考えると、これは仕方のないことかもしれません。信頼した先生と長期的にじっくり勉強していきたいというのであれば、大規模校舎は避ける選択をしてもいいでしょう。
サピックスの小規模校舎 メリットとデメリット
サピックスの小規模校舎には大規模校舎では絶対に実現できない大きなメリットがあります。
小規模校舎のメリット
小規模校舎に通う最大のメリットは、校舎責任者レベルの実力ある講師の授業を受けられる可能性が高くなることです。
前提として知っておきたいのは、サピックスの校舎責任者がどのような講師なのかということ。ある塾では新卒入社2~3年で経験の浅い社員が教室長を務めているケースがあります。サピックスでは授業力の高い講師でないと校舎責任者になることはできません。これは非常に重要です。
校舎責任者はどのようなコースで授業をするでしょうか。
大規模校舎の場合、校舎責任者は6年生α123、5年生α12、4年生α123というように上位コースしか教えないことがあります。(校舎責任者がどのコースを担当しているかは、表に出ている情報からすぐに調べられると思います。また、下位コースを担当する先生方も、力のある先生ばかりであることは書き添えておきます)
小規模校舎ではそんなことはありません。たとえば6年生ABCの3コースしかないような校舎の場合、校舎責任者がすべてのコースを担当することが多くなります。つまり偏差値70を上まわるお子さんも偏差値30を下まわるお子さんも、みんな校舎責任者の授業を受けられるわけです。
小規模校舎では6年生後期のSS特訓(日曜日の授業)を開催していないことがあります。この場合、受験生は近隣の大規模校舎にいって授業を受けることになるのですが、このとき自分が通っている小規模校舎の責任者も大規模校舎に行って授業をする点は見逃せません。場合によっては、大規模校舎の校舎責任者と自分が通っている小規模校舎の責任者の両方の授業を受けられる可能性があります。
小規模校舎は人数が少ないので、職員全員に顔と名前を覚えてもらえる可能性が高いのもいいですね。アットホームな雰囲気のなかで大人たちに見守られながら受験勉強を進められるのは、大規模校舎にはない魅力だと言えます。
小規模校舎のデメリット
小規模校舎のデメリットは、競争意識が低くなることです。1問のミス、1点の差がコース昇降に影響する可能性が低くなるため、どうしてものんびりした雰囲気になります。競争が好きな子は退屈してしまう一方、競争が苦手な子には向いているかもしれません。
まとめ
【大規模校舎のメリット】
- 競争相手が多い
- お子さんと同じぐらいの偏差値の子ばかりの教室で授業を受けられる
→効率的な授業が展開されるため、時間的なロスがなくなる
【大規模校舎のデメリット】
- わずか数点でコースが変わってしまう
- コースの上下ですぐに担当講師が変わってしまう
【小規模校舎のメリット】
- コースの数が少ないため校舎責任者の授業を受けられる可能性が高くなる
- 職員全員に顔と名前を覚えてもらえる可能性が高い
【小規模校舎のデメリット】
- 競争する意識が低くなるため、比較的のんびりした雰囲気になる
サピックスは首都圏と関西で47校を展開しています(2019年7月現在)。特に首都圏では合格実績で完全に独走しています。合格者数は分母となる生徒数の多い大規模校舎で華やかになるのは当たり前のこと。この数字だけ見て「やっぱり大きな校舎のほうがいいわよね」と考えるのはやや早計です。小規模校舎には大規模校舎にはないメリットがあります。
大規模校舎と小規模校舎、それぞれのメリットとデメリットをよく検討したうえで、どの校舎に通うか決めるといいですね。
(この記事はサピックスの公式見解によるものではありません)