中学受験生は入試本番までのテストで、数限りない「ケアレスミス」を経験します。筆者は中学受験の世界に15年以上おりますが、一度もケアレスミスをしなかった受験を知りません。それぐらいケアレスミスは「ありふれたもの」なのです。
「ケアレスミス」と聞くと、計算間違いや数字の読み間違いなど算数で起きることだというイメージがあります。しかし、実際は算数に限らず、国語・理科・社会のどの教科でも起きるものです。そして、受験生はそのたびに少なからぬ点を失って悔しい思いをします。
ケアレスミスは確かにありふれたものですが、失点を重ねてしまう可能性があるわけですから、そのままにしておくわけにはいきませんよね。この記事で国語のケアレスミスをなくすために気をつけたいことを紹介します。少し意識するだけで確実にケアレスミスを減らせるので、ぜひ参考にしてみてください。
国語では、どこでケアレスミスが起きやすい?
国語ではどのようなところでケアレスミスが起きやすいのでしょうか。
記述問題の文末表現
国語でケアレスミスが起きる代表的なポイントと言えば文末表現です。
国語では「どんな気持ちですか」「どういうことですか」「なぜですか」と聞かれることが多いものですが、これに対応しない形で文末を書くと「問われたことに答えられていない」と見なされ1~2点減点されてしまいます。
たとえば、「主人公の気持ちを答えなさい」という問題であれば、「~という気持ち」や「~と思っている」などの形で答えなければなりません。気持ちが問われているので気持ちを表す文末にする必要があるのです。ですから、「~から」などにすると1~2点減点されてしまうので注意しましょう。
選択問題 ふさわしいもの or ふさわしくないもの
選択問題は主に「次のなかから本文の内容としてふさわしいものを選びなさい」と出題されます。ところが、時々「ふさわしくないものを選びなさい」と指示されることがあります。問題をよく読んでいないと、つい思い込みで「ふさわしいもの」を探そうとしてしまいます。その結果、答えが出なくなってしまうわけです。
「ふさわしくないものを選びなさい」という問題の場合、太字や波線部にして受験生が間違わないよう注意喚起されていることが多いものです。ところが、学校によってはそうでないことがあります。有名なところでは慶應中等部でしょうか。太字や波線にされておらず、さらっと「ふさわしくないものを答えなさい」などと指示されますので、慶應中等部を受験する受験生は特に注意しましょう。
また、複数を選択する問題もあります。「本文の内容としてふさわしいものを二つ選び、記号で答えなさい」や「すべて選びなさい」といった問題です。この場合、二つ選ぶほうの問題は解答欄も二つあることが多いので、間違える可能性は高くありません。しかし、すべて選ぶ必要がある問題は少し大きめの解答欄が一つしかないため、間違えてしまう可能性があります。注意したいですね。
抜き出し問題 一文を抜き出しなさいor部分を抜き出しなさい
抜き出し問題には、「一文を抜き出しなさい」と「部分を抜き出しなさい」の両方があります。これをしっかり意識していないと、せっかく正しいところを見つけても誤答となってしまいます。非常にもったいない間違いですから、気をつけましょう。
国語のケアレスミスをなくす方法
どうすればケアレスミスをなくせるでしょうか。もっとも簡単で効果的な対処法は設問に線を引いたりチェックを入れることです。
たとえば、こんな設問があったとします。
この問題の場合「気持ちを書きなさい」という文言を意識できず、「~から。」と答えてしまう受験生がいます。ちなみに、中学受験生はなぜか「~から。」と答えるのが大好きです笑
そこでチェックを入れながら設問を読んでみましょう。
「主人公の気持ち」という部分にチェックを入れました。記事の都合上、蛍光マーカーでチェックしていますが、実際には鉛筆やシャープペンシルで丸をつけたり、波線を引いたりしてください。
設問にチェックを入れるだけで、「ああ、そうか。『主人公の気持ち』を答える問題なんだな」と意識できます。それだけで答えを考えるヒントになりますし、文末表現を間違えなくなるのです。
この方法はもちろん、選択問題や抜き出し問題のときにも利用できます。「本文の内容としてふさわしくないものを選びなさい」、「傍線部と同じ内容を表す部分を抜き出しなさい」のように、チェックを入れるといいですね。
また、記述問題の場合、指定された文字数にもチェックを入れながら読むと、答えにどれぐらいの要素が必要か見当をつけやすくなります。
まとめ
国語でケアレスミスが起きやすいポイント
・記述問題 文末表現
・選択問題 ふさわしいものorふさわしくないもの
・抜き出し問題 一文を抜き出しなさいor部分を抜き出しなさい
筆者はケアレスミスで10点以上も失ってしまった受験生を、何人も見たことがあります。ケアレスミスは誰もがするものではあるのですが、やはりもったいないと言わざるを得ません。また入試は1点を争う過酷なものであるため、ケアレスミスで合否が決まってしまう可能性もあります。充分注意して可能な限りなくしていきましょう。