中学受験で合格を引き寄せるためには、各学年のそれぞれの時期になにをするべきかを知っておくことが大切です。名実ともに受験生となる6年生は、入試の成否を直接左右する学年。4月以降は、受験生としての意識を芽生えさせるのに重要な時期です。
4月~7月にもっとも重視すること
6年生の4月~7月は環境の変化にも慣れ、名実ともに受験生になる時期。講師が受験を意識した発言を織り交ぜはじめるなど、教室の雰囲気が少しずつ変わりはじめます。ただ、それを感じ取れるのは一握りの子だけ。多くのお子さんたちはまだまだ緊張感を持っていないものです。
この時期にもっとも大切なのは、お子さんたちに「自分は受験生なのだ」という意識を芽生えさせること。意識の変化が早く起きるほど、夏以降の勉強が意味のあるものになります。
自分は受験生であるという意識を芽生えさせるのに利用できるのが、各塾が行っている春期講習や特訓授業です。塾によっては、5年生のころまでとは異なり演習形式の授業が行われることになりますが、合格に必要だとされる点数の半分も取れない子がほとんど。お子さんにこのショッキングな結果を直視させて、自分の置かれた状況を理解させるのです。
このとき、ご両親は言葉の使い方に注意しましょう。「このままじゃ、○○中学には受からないよ!」という言い方だと、子どもはたちまちやる気をなくしてしまいす。「これをこうすることができれば、合格に一歩近づくよね」というように、お子さんが前向きになれる言葉の伝え方をしてください。(一時期「伝え方が9割」という本が流行しましたが、子どものやる気を導くためにも伝え方は大切なのですね)
これはお子さんを甘やかすということではありません。やるべきことができていない場合は、しっかりと指摘してください。前向きな言葉を使いながらも足りない部分に目を向けさせるという難しい作業です。家庭で難しければ塾と連携し、親は明るくポジティブな言葉がけ、塾は厳しく指摘する言葉がけというように役割分担してもいいですね。
この時期の保護者がやるべきこと
塾から課せられた家庭学習を子どもがしっかりやっているか、必ずチェックしてください。比較的時間のあるこの時期は、じっくり問題に取り組むチャンスです。子どもが単なる“作業”として宿題をやらないよう目を光らせる必要があります。
お子さんが受験生としての自覚を持つよう導いていくことも大切です。そのために勉強面でのサポートだけでなく、志望する中学校の体育祭(運動会)や発表会などのイベントに積極的に連れていってください。そのせいで塾を早退あるいは遅刻することになっても構いません。その結果、子どもががんばって勉強してくれるようになるのであれば、非常に安いコストだったということになります。
受験スケジュールを考えはじめるのもこの時期です。受験日程が重なっていてもいいので、子どもと話し合いながら受験させたい中学校をピックアップしてみましょう。「2月1日○○中学と△△中学、2月2日○○中学と□□中学……」といったように紙に書くとリアリティが出てきます。このときもお子さんが前向きになれるよう注意することが大切。くれぐれも「○○中学なんて無理でしょ」などと言わないよう気を付けてくださいね。このころには偏差値が10以上足りなくても問題ありません。まずは「志望校に向けて勉強しよう!」と思わせることが大切なのです。
6年生の4月~7月は受験生としての自覚を芽生えさせる時期。この時期にいいメンタリティを作れた子ほど夏期講習以降に伸びていきます。子どもとしては大人の雰囲気が変わってくることに戸惑いがちな時期ですが、上手にフォローしながら導いてあげてください。
まとめ
- 6年生の春は受験生としての自覚を持たせる時期
- 合格までに必要な力と現在の自分の力にどれほどの差があるのかを理解させたい
- 受験生としての自覚をうながすような工夫が大切
- このころに仮の受験スケジュールを組んでおく
- 仮の受験スケジュールを組む目的は、お子さんの前向きな姿勢を生み出すこと