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スポーツや習い事の経験のある子が中学受験に強いのはなぜ?

スポーツや習い事をやっている子が中学受験に強い理由 コラム

中学受験勉強の他にスポーツや習い事をしているお子さんは多いものです。野球、サッカー、水泳、ピアノ、ヴァイオリン、そろばんなど、その種類は多岐にわたります。そのなかに、「全国大会に出場」「県選抜チームのメンバー」「たくさんのお客さんの前で演技している」といった実力のあるお子さんがいて驚かされることも少なくありません。

中学受験の世界では、「スポーツや習い事はいつか辞めるべき」という考えが一般的です。私もこれに賛成しています。中学受験ではいわゆる“難関校”を目指すことが多く、受験勉強とスポーツや習い事の練習を両立するのは難しいからです。

その一方で、「スポーツや習い事をやっている受験生は、なぜこんなにも強いのだろうか?」と感じることも多くあります。もちろん、「スポーツや習い事をやっている=全員が中学受験に強い」とは限りません。それではスポーツや習い事をしていて、中学受験にも強い子にはどのような特徴があるのでしょうか。

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教わったことを素直に実行する

スポーツや習い事をしていて受験勉強にも強い子を見ていると、「お話ししたことを素直に実行してくれているな」と感じることがよくあります。

「それは当たり前では?」と感じるかもしれませんが、実はそんなことはありません。「新しく教わったことを理解し、そのまま実行してみる」という過程は、小学生にとって意外と難しいことなのです。その背景には理解力や思考力の影響もあるかもしれませんし、「自分は自分のやり方で解く」というある種の頑固さの問題もあるかもしれません。

スポーツや習い事をやっている子は、「指導者(監督や先生)などの指示を理解し、まずはその通りにやってみる」ということに慣れています。それと同じ感覚で塾や家庭教師の授業を受けているようです。こうした素直さや実直さが、受験勉強での強さにつながります。

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普段から考えてプレーや演奏、練習をしている

スポーツや習い事をしている子は、普段から考えることに慣れています。

スポーツを例にしましょう。かつて「とにかくバットを振れ!」といったスポ根的な指導がなされていた時代が確かにありました。そこまででなくても、指導者自身が理屈を言葉で説明できず、あいまいな指示が出されていたこともありました。

現在のスポーツ指導では、状況がかなり改善されています。「この練習をするとどのような効果があるのか」「なぜこの作戦がいいのか」が論理的に説明されることが多くなっているのです。実際、スポーツをやっている受験生のお母様から、「頭を使ってプレーすることが大切」「頭を使わないと上手にならない」といった指導がされているのだとうかがうことがあります。

こうした指導を受けていれば、「どうしてできないんだろう?」「どうすればできるようになるんだろう?」と考えながら練習するようになるのは自然なことです。その習慣がそのまま受験勉強にも活かされれば、学力が伸びていく期待は大きくなります。

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簡単に成果が出ないことがあると知っている

「今日練習したからと言って、明日すぐに成果が出るとは限らない」と知っているのも、スポーツや習い事をしている子の特徴です。

筆者は塾講師・家庭教師として約15年間、中学受験生と一緒に学習してきました。その経験なかで「今月はあんなに勉強していたのに、成績が下がった! もう勉強なんかしない!」と自暴自棄になってしまう子を何人も見てきました。これが5年生までならまだいいのですが、6年生後期だと本当に困ってしまいます。「受験なんかもうやめる!」と言い出す受験生も少なくなく、メンタル面を立て直すところからその後の学習をはじめなければならなくなってしまうのです。

誤解のないように書いておくと、中学受験生は小学生ですから、こういった状態になってしまうのは仕方ないことだと思います。むしろ、これが一般的な小学生の姿なのではないでしょうか。

その一方、スポーツや習い事をしている受験生は、悪い成績が出てしまってもそこまで大きなダメージにならないことが多いように感じます。あるいはダメージを受けたとしても、比較的早く次への課題を見つけ出し、前を向く傾向があるように感じるのです。「実行したことの成果がすぐに出るとは限らない。落ち込んでいるよりは、次に向けてやるべきことに取り組んだほうがいい」と経験的に知っているのではないでしょうか。

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まとめ

スポーツや習い事をしている子が中学受験に強い理由をまとめてみます。

・教わったことを素直に実行する

・普段から考えてプレーや演奏、練習をしている

・簡単に成果が出ないことがあることを知っている

もちろん、スポーツや習い事をしている子みんなに、こうした特徴があるわけではありません。スポーツや習い事をしていなくても、こうした特徴がある子もたくさんいます。スポーツや習い事をやっていない子が、中学受験に弱いと言いたいわけでもありません。ここで紹介したのは、あくまで筆者が感じる傾向であることはご理解いただければと思います。

繰り返しになりますが、中学受験とスポーツや習い事を両立するのは難しいものです。受験勉強を優先して、いつかはスポーツや習い事を辞める決断をする必要が出てきます。ただ、ここに紹介したような強さが身につく可能性も充分あります。「5年生1月まで」「新6年生3月まで」など中断する時期を決めておき、スポーツや習い事をやらせてあげるは決して悪いことではないのではないでしょうか。

進学教室サピックスに国語科講師として約14年半勤務。α1~Aコースまで担当しました。「がんばる子の隣で一緒に勉強したい」という願いを叶え、2019年12月から家庭教師として活動中です。今後も「隣にいる人の幸せのために」を忘れずに、中学受験生と一緒に学習したいと思います。

プライベートでは5歳の娘の育児に奮闘中。親としての先輩であるお母様、お父様からさまざまなことを学ばせていただいています。

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