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中学受験の漢字で間違いやすいポイントを、塾講師・家庭教師の経験から解説します。

国語の解き方

中学入試にほぼ必ず出題されるものと言えば「漢字」です。記述問題や知識問題が出題されない学校はありますが、漢字が出題されない学校はありません。少ない印象の麻布中学でも4問程度は出題されます。中学入試では漢字をしっかり勉強するだけで得点を底上げできるというわけです。

ただ、この「漢字をしっかり勉強するだけで」が難しいのですよね。ご家庭では1026字もある漢字のどこに気をつければいいのかがわかりません。そのため大切なところに目が行かなかったり、逆にさほど重要ではないところに神経質になりすぎたりするようなことが起きてしまいます。

そこで、塾講師・家庭教師として数万枚の答案を採点した経験から、中学受験生が共通して間違える漢字のポイントをまとめます。どこに注意すればいいかを把握し、効率的に勉強するツールとしてお使いください。

必要であれば、「1026字の書き方」(旺文社)などを参考にしてくださいね。

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中学受験生が間違いやすい漢字の一覧

まずは中学受験生が間違いやすい漢字を一覧にまとめます。ただし、あくまで筆者の経験によってピックアップしたものです。

【1年生で習う漢字】

右 下 天 花 学 女 四 白 百 年 (10字)

【2年生で習う漢字】

園 遠 家 才 春 長 心 寺 聞 (9字)

【3年生で習う漢字】

安 委 化 階 寒 究 級 取 実 習 乗 身 息 待 様 発 (16字)

【4年生で習う漢字】

案 栄 改 覚 潟 願 器 機 競 差 材 埼 卒 低 底 不 満 無 要 養 令 冷 労 (23字)

【5年生で習う漢字】

衛 桜 額 寄 潔 興 講 混 妻 在 財 酸 謝 貸す 張 導 得 備 墓 報 務 領 吸 劇 券 (25字)

【6年生で習う漢字】

降 座 済 策 蚕 樹 収 就 純 衆 傷 蒸 垂 善 奏 窓 存 賃 展 否 奮 閉暮 郵 (23字)

合計で106字ありました。ただ、同じようなポイントでの間違いもありますから、実質的には100字程度ではないかと思われます。1026字のうちの100字程度。つまり、約1割です。そう考えれば、間違いやすい漢字は決して多くないですね。

それでは、それぞれの漢字のどこが間違いやすいポイントなのかを確認していきましょう。必要なものには図をつけてありますから、参考にしていただければと思います。

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1年生で習う漢字の間違いやすいポイント

1年生で習う漢字は80字あります。ひらがなから勉強することもあり少なく感じますが、6~7歳のお子さんとっては大変な量かもしれません。

・「」…「一」ではなくて「ノ」から書きます。形ではなく筆順で間違いやすいので注意しましょう。
・「」…1画目と2画目の交わるところから3画目が出ないように注意しましょう。
・「」…1画目と2画目の横線の長さに注意しましょう。1画目のほうが2画目よりも長いのがポイントです。

間違いやすい漢字「天」

・「」…6画目は右上から左下に向かって書きましょう。

間違いやすい漢字「花」

・「」…「つかんむり」の2画目の向きに注意しましょう。

間違いやすい漢字「学」

・「」…「く」「ノ」「一」としっかり書けるようにしましょう。「廿」のような形になってしまう生徒さんが、たくさんいます。

間違いやすい漢字「女」

・「」…「目」を倒したような形にならないように注意しましょう。
・「」…1画目と2画目がつながらないように注意しましょう。

間違いやすい漢字「白」

・「」…白と同じところに注意しましょう。
・「」…この漢字は6年生で習う「降」と同じ形を使います。1年生のうちにしっかり書き方を覚えてしまいましょう。

間違いやすい漢字「年」

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2年生で習う漢字の間違いやすいポイント

2年生では160字の漢字を習います。一気に2倍の漢字を勉強するわけですから大変ですね。

・「」…9画目~12画目までの形に注意しましょう。
・「」…「園」と同じ形のところの書き方に注意しましょう。

間違いやすい漢字「遠」

・「」…5画目と6画目が交わる場所に注意しましょう。

間違いやすい漢字「家」
・「」…3画目を書きはじめる場所に注意して練習しましょう。カタカナの「オ」のような形になるとバツになってしまいます。
・「」…5画目がどこから出るのかに注意して練習しましょう。
・「」…1画目と6画目の縦線を少しずらすのがポイントです。

間違いやすい漢字「長」

・「」…1画目の点は、左へ開くように書きます。

間違いやすい漢字「心」
・「」…3画目と4画目の横線の長さに注意しましょう。
・「」…「耳」の5画目の横線を、6画目の縦線から出ないように書きましょう。

間違いやすい漢字「聞」

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3年生で習う漢字の間違いやすいポイント

3年生では200字を習います。学年が上がるにつれて、数が多く難しくなってきました。

・「」…「女」の形に注意しましょう。1年生で身につけてこなかったお子さんは、3年生になって間違いが発見されます。5、6年生になってはじめて発覚するケースもあります。
・「」…やはり「女」の形に注意してください。
・「」…1年生で習う「花」と同じく、3画目は右上から左下に向かって書きましょう。
・「」…「比」の書き方に注意しましょう。この部分は全部で4画です。5画で書かないように気をつけてください。また、「白」の書き方にも注意しましょう。

間違いやすい漢字「階」

・「」…6年生になっても間違えてるお子さんが多い漢字です。横線は全部で3本です。
・「」…「あなかんむり」の形に注意しましょう。「穴」をそのまま書くとバツになってしまいます。
・「」…「及」の形に注意しましょう。2画目は1画目の縦線から左に出るのがポイントです。

間違いやすい漢字「級」

・「」…2年生で習った「聞」と同じく、「耳」の5画目の横線を、6画目の縦線から出ないように書きましょう。
・「」…「春」のような形にならないよう注意しましょう。

間違いやすい漢字「実」・「」…「白」の書き方に注意しましょう。
・「」…横線の長さに注意しましょう。横線が3本ある場合、漢数字の「三」の形を基本にするとわかりやすいのですが、「乗」「垂」「郵」は例外です。真ん中の線を一番長く書いてください。

間違いやすい漢字「乗」

・「」…6画目の横線を3画目の縦線から出ないに書くのがポイントです。
・「」…「白」の書き方を基本に「自」の部分を書きます。「心」の1画目の点の向きにも注意してください。
・「」…「寺」の部分の横線の長さに注意してください。
・「」…10画目の長さに注意しましょう。「羊」と同じように、一気に下に突き抜けます。
・「」…「はつがしら」の形に注意しましょう。

間違いやすい漢字「発」

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4年生で習う漢字の間違いやすいポイント

4年生ぐらいから漢字が難しくなるにつれて、間違いやすい漢字が増えていきます。ひとつずつ覚えていきましょう。

・「」…「女」の形に注意しましょう。
・「」…「つかんむり」の向きに注意しましょう。
・「」…「己」の部分の3画目はハネません。トメます。一般的な書籍ではハネている活字が使われていますが、「教科書体」ではハネないことになっています。気をつけましょう。

間違いやすい漢字「改」

・「」…「つかんむり」に注意しましょう。
・「」…4画目と5画目をつなげないことと「臼」の部分の形に注意しましょう。

間違いやすい漢字「潟」

・「」…「おおがい」の2画目と3画目をつなげないように気をつけましょう。この字もやはり「」の書き方を基本にします。
・「」…本当に間違いの多い字です。画像を参考に間違いやすいポイントを確認してください。

間違いやすい漢字「器」

・「」…この漢字は間違いやすいポイントが3つあります。注意して書けるようにしましょう。

間違いやすい漢字「機」

・「」…下の部分が左右と異なっていることに注意しましょう。

間違いやすい漢字「競」

・「」…7画目の斜め線が出る場所に注意してください。
・「」…「才」の部分がカタカナの「オ」にならないように注意しましょう。
・「」…「可」の上に「大」が乗るように書きましょう。

間違いやすい漢字「埼」

・「」…8画目の縦線の長さに注意しましょう。
・「」…7画目の横線の場所に注意しましょう。「一」の上に「氏」が乗るような形にならないようにするのがポイントです。

間違いやすい漢字「低」

・「」…「低」と同じく「一」の上に「氏」が乗るような形にならないように気をつけましょう。
・「」…それぞれの線がどこから出るのか注意しましょう。

間違いやすい漢字「不」

・「」…4画目と7画目の線の長さに気をつけましょう。7画目のほうが短いのがポイントです。一般的な書籍で使われている書体とは異なるので注意してください。
・「」…横線の長さに気をつけましょう。一番長いのは真ん中の横線です。

間違いやすい漢字「無」

・「」…「女」の書き方に気をつけましょう。
・「」…「食」の部分に注意してください。

間違いやすい漢字「養」

・「」…「令和」の「令」ですね。これも一般的な書籍で使われる活字とは異なるので気をつけましょう。

間違いやすい漢字「令」

・「」…「令」と同じ部分に気をつけましょう。
・「」…「つかんむり」の部分に注意してください。

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5年生で習う漢字の間違いやすいポイント

5年生では少し減って193字を習います。3年生よりも少ないのですが、漢字字体はさらに難しくなります。

・「」…「年」と同じ形だと覚えておきましょう。

間違いやすい漢字「衛」

・「」…「女」の形に注意しましょう。
・「」…「おおがい」の形に注意しましょう。やはり「白」が基本です。
・「」…4年生で習った「埼」と同じポイントに気をつけましょう。
・「」…6年生でも間違いが多い漢字です。「さんずい」の位置に注意してください。

間違いやすい漢字「潔」

・「」…全体のバランスに気をつけたいですね。詳しくは図をご覧ください。

間違いやすい漢字「興」

・「」…右側の三本の横線の長さに注意しましょう。漢数字の「三」と同じバランスで書けば問題ありません。
・「」…「比」の部分の書き方に注意しましょう。
・「」…「女」の書き方に注意しましょう。
・「」…3画目は2画目の「ノ」から少しだけ上に出します。
・「」…「才」の部分に気をつけましょう。
・「」…11画目の書き方がポイントです。「クイっ」と右に向かって曲げましょう。

間違いやすい漢字「酸」

・「」…「身」の6画目を3画目の縦線から右に出さないようにしましょう。
・「」…「代」が「貝」の上に乗らないように注意してください。「代」のなかに「貝」が入るようなイメージです。

間違いやすい漢字「貸」

・「」…「長」の2画目と6画目を少しずらして書きましょう。
・「」…「首」の部分に気をつけましょう。この字もやはり「白」を基本に考えます。「白」については、上にスクロールして1年生の漢字を確認してください。
・「」…8画目と9画目の長さに注目しましょう。8画目を9画目よりも長く書きます。5年生のうちにしっかり覚えて、6年生になったころには当然のように書けるようになっておきたい字です。
・「」…7画目が出る場所がポイントです。4画目の縦線とは少しずらします。

間違いやすい漢字「備」

・「」…9画目と10画目の出る場所に気をつけましょう。

間違いやすい漢字「墓」

・「」…左側は「幸」という字ではありません。詳しくは図をご覧ください。

間違いやすい漢字「報」

・「」…5画目の線が出る場所に注意してください。筆順を間違えると、違う形になってしまうことがあります。
・「」…左側は「令和」の「令」です。「令」については、上にスクロールして4年生の漢字を確認してください。
・「」…「及」の書き方に注意しましょう。2画目は1画目の縦線よりも左側から書きはじめます。上にスクロールして3年生の「級」の字を確認してください。
・「」…4画目を下に向かってハネルことを忘れてしまう受験生が多くいます。
・「」…下の部分は「力」ではなく「刀」です。無理やりですが「券=ケン、刀=ケン」ととらえることで、「力でなくて刀だったな」と覚えられる受験生が多くいます。

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6年生で習う漢字の間違いやすいポイント

6年生は191字の漢字を習います。数は少ないのですが、さすがに6年生。難しい漢字を習います。

・「」…「衛」と同じ場所に注意しましょう。「年」の形と同じだと覚えておくと間違わなくなります。「衛」については、上にスクロールして5年生の漢字を確認してください。
・「」…「土」の2画目を長く書きます。両脇の「人」と「人」のあいだを通るように書くのがポイントです。
・「」…11画目をハネないように注意しましょう。
・「」…この字は注意したいポイントが3つあります。

間違いやすい漢字「策」

・「」…「天」と同じく、1画目のほうが2画目よりも長いので注意しましょう。
・「」…4画目~6画目は「土」ではなくて「士」です。注意してください。
・「」…意外と正しく書けない字です。左側の形に注意しましょう。

間違いやすい漢字「収」

・「」…間違いのパターンが非常に多い字です。詳しくは図をご覧ください。

間違いやすい漢字「就」

・「」…なかなか正しく書けない字です。詳しくは図を確認してください。

間違いやすい漢字「衆」

・「」…「屯」の縦線を上に突き出すのが正解です。上に出さない受験生が意外と多くいます。
・「」…「日」の部分を「口」にしてしまう受験生が多くいます。
・「」…この漢字は間違いのポイントが2つあります。詳しくは図をご覧ください。

間違いやすい漢字「蒸」

・「」…横線のバランスに注意しましょう。

・「」…「羊」の部分を間違える受験生が多くいます。

間違いやすい漢字「善」

・「」…6画目は左から右に書きます。右上から左下に書くとバツにされてしまうので注意してください。
・「」…「あなかんむり」に気をつけましょう。
・「」…3画目は2画目から少し上に出ます。
・「」…「イ」と「貝」の位置関係に注意しましょう。
・「」…間違いやすいポイントは2つあります。

間違いやすい漢字「展」

・「」…「不」と同じ部分に気をつけましょう。「不」についてはスクロールして4年生の漢字を確認してください。
・「」…「大」の部分の書き方に気をつけましょう。

間違いやすい漢字「奮」

・「」…「才」の部分を「オ」と書かないように気をつけましょう。
・「」…「墓」と同じ部分に気をつけましょう。上にスクロールして、5年生の漢字を確認してください。
・「」…やはり「墓」と同じ部分に注意しましょう。
・「」…3本の横線の長さに注意しましょう。

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まとめ

筆者の塾講師・家庭教師の経験上、中学受験生が間違えがちな漢字を一覧で紹介しました。どの字のどんなところを間違いやすいのか、よく確認しながら練習に取り組むといいですね。

進学教室サピックスに国語科講師として約14年半勤務。α1~Aコースまで担当しました。「がんばる子の隣で一緒に勉強したい」という願いを叶え、2019年12月から家庭教師として活動中です。今後も「隣にいる人の幸せのために」を忘れずに、中学受験生と一緒に学習したいと思います。

プライベートでは5歳の娘の育児に奮闘中。親としての先輩であるお母様、お父様からさまざまなことを学ばせていただいています。

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