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国語の音読の効果的なやり方3つのポイント

国語の音読の効果的なやり方3つのポイント コラム

中学受験塾では、音読の宿題を出されることがあります。テキストの本文を声に出して読むのですね。実際、私が勤務していた塾でも、5年生が終わるころまでは音読の宿題を出していました。

ところが「どんな効果を狙って音読の宿題が出されているのか」、「音読にどのように取り組むべきか」については、あまりアナウンスされていないように感じます。そのせいかはわかりませんが、家庭教師になってから「塾で音読の宿題を出されたんですが、本当に意味はあるんですか?」という質問をいただくことも少なくありません。

今回は、私が考える音読の宿題を効果的にするポイントを3点にしぼって紹介します。

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音読に成績を上げる効果はある? それともない?

音読に国語の成績を上げる効果はあるのでしょうか。これは国語の講師のなかでも意見の分かれるところです。このように意見が分かれてしまうのは、主に以下のような事実があるからだと考えられます。

  • 音読は苦手でも、問題を解ける子がいる。
  • 音読が上手でも、問題を解けない子がいる。

こうしたことを考えると、意見が割れてしまうのはよくわかります。また、生徒さんやご家庭が「音読って本当に成績と関係あるの? でも、宿題になっているということは、やっぱり意味があるの?」と混乱してしまうのもわかります。

では、音読には意味があるのでしょうか。私としては、一定の効果はあると考えています。ただし、ただ読むだけでは、あまり意味がないと思っています。どうすれば効果的な音読になるのでしょうか。

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音読の宿題に取り組むときの前提

まず、音読の宿題に取り組むときの注意点があります。それは、必ず保護者の方がお子さんの音読を聞くことです。

できればテキストをコピーするなどして、お子さんと同じ文章を保護者の方が目で追いながら聞くようにしてください。もし難しい場合は、家事などをやりながらでも構いません。お子さんの音読を聞くことで気づくことがたくさんありますので、必ず近くで聞いているようにしてください。

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音読を効果的にするポイント1

それでは音読を効果的にするためには、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

ひとつめは、お子さんの読めない漢字がないかチェックすることです。漢字が読めないということは、本文のその部分の意味を理解していないということになります。

これは以前に担当した生徒さんの話ですが、彼は「~を用いて」というところを「~をよういて」と読みました。ご存じの通り「用いる」は「使う」の意味ですが、彼はこの部分を読みながら「~を使うということだね」というふうには理解していなかったと思います。こうした細かいことが積み重なれば、最終的に本文全体の意味がわからなくなってしまうのは想像に難くありません。当然、設問も解けなくなってしまうでしょう。

もちろん、その文脈での漢字の読み方に限ってわからないという場合もあると思います。その場合は正しい読み方を覚えることで、漢字の学習にもなります。

いずれにしても、お子さんが読めない漢字がないかチェックすることは有効です。

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音読を効果的にするポイント2

お子さんの知らない言葉を教えることも大切です。

お子さんには「聞いたことがあるし、読めるけれど、実は意味をわかっていない言葉」があります。「もしかしたら、この言葉の意味、わかっていないかもしれないな」と感じたら、音読を一度止めて「この言葉はどういう意味かわかる?」と聞いてみるといいですね。もし知らなかったことがわかったら、その場で教えてあげてください。(一緒に電子辞書などで調べるとおもしろいですよ)

国語の成績が上がらないと、「うちの子は読解力がなくて……」と考えてしまいがちです。しかし、問題は読解力でなくて、語彙力にあることがよくあります。そもそもの語彙力がなければ、読解ができないのも無理はありません。音読を通して語彙力をアップしましょう。

英語の勉強をするときに、英単語やイディオムの意味を覚えた記憶のある方はいらっしゃるのではないでしょうか。いまも電車のなかで中高生が「英単語ターゲット1900」などの英単語帳を持っているのを、よく目にします。教育上それがいいか悪いかの議論は別として、まずは言葉の意味を一つひとつ拾っていくことは、非常に大切なのではないかと思います。

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音読を効果的にするポイント3

もう一つ、本文に書かれている言葉をお子さんが勘違いして読んでいないかを、ぜひ確認しましょう。私としては、実はこれが盲点だと考えています。

たとえば、私の知っている受験生でこんな子がいました。本文には「食べにいく」と書かれているのですが、音読をしてもらうと「食べにくい」と読んでしまうのです。しかも、そう思い込んでいるため、何度読んでもらっても「食べにくい」になってしまいます。

「食べにいく」を「食べにくい」と誤読することぐらい、そんなに問題があるの? と感じてしまうかもしれません。もちろん、問題があります。

本文中での「食べにいく」は、文字通り「食べにいく」です。ところが、この受験生に話を聞いてみると「『食べにくい』のだから、食べにいかないのかな」と思って読んでいたといいます。つまり、本文の流れを正反対にとらえてしまっているわけです。これではその後の設問を解けるはずがありません。

こうした指摘を通して「正しく読まなければいけないのだな」という意識を持ってもらうことで、少しずつこのような誤読がなくなっていきます。そして、正しく文章を理解することにつながっていくのですね。

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まとめ

ここまで紹介してきたように、音読は読解力をアップするものではありません。読解力の前にある基礎的な力を伸ばすためのものだと、私は考えています。

  • 音読をすることで、読めない言葉を減らしていく
  • 音読をすることで、語彙力をアップする
  • 音読をすることで、正しく読む力を向上させる

これが読解力アップのベースになるのです。

音読は「今日がんばったから、明日には成績が上がる」というような即効性のあるものではありません。コツコツ続けることで土台となり、最終的な成績向上につながっていきます。お子さんの音読にはどうしても10~20分はかかってしまうものです。毎回付き合うことに躊躇してしまうのも無理はないと思います。しかし、せっかく音読の宿題に取り組むのであれば、将来の成績アップにつながると信じて一緒にがんばってみるのも悪くないかなと思います。

進学教室サピックスに国語科講師として約14年半勤務。α1~Aコースまで担当しました。「がんばる子の隣で一緒に勉強したい」という願いを叶え、2019年12月から家庭教師として活動中です。今後も「隣にいる人の幸せのために」を忘れずに、中学受験生と一緒に学習したいと思います。

プライベートでは5歳の娘の育児に奮闘中。親としての先輩であるお母様、お父様からさまざまなことを学ばせていただいています。

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