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中学受験の5年生、夏期講習の意識と勉強

コラム

夏期講習はある意味で一大イベントです。はじまるまでは「毎日塾なんて嫌だなー」と言っていた子どもたちも、実際にはじまってみるとそれなりに楽しそうに通ってくれます。ただ学力を上げることを考えると、漫然と通塾してもあまり意味がありません。大切な夏休みの時間があとで大きな果実となるように、通塾の目的を明確にしておく必要があります。5年生の夏期講習ではどのような意識を持ち、どのように勉強すればいいでしょうか。

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5年生の夏期講習はどんな時期?

5年生の夏期講習というと、お子さんの4年生気分がようやく抜けたかな……というころですよね。その一方で入試本番は1年半も先の話なので、お子さんにしてみれば緊張感をもって塾に通うのが難しい時期でもあります。

子どもにとっての1年半は大人にとっての数年ぐらいの感覚でしょうか。「現実味のない入試に向けて緊張感を持つなんて無理だよな……」と思いつつも、親御さんとしては「こんな調子で大丈夫?」と思ってしまいますよね。

では5年生の夏期講習はどのような時期なのでしょうか。

実はこの時期から入試に向けた実践的な内容が少しずつ出てきます。夏期講習以前は基本的なことや本質的なことを理解することに重きを置かれていましたが、テクニカルな話が混ざってくるのです。

サピックスの国語を例に考えてみましょう。

サピックスの夏期講習で登場する物語文「トロッコ」

サピックスの夏期講習では、芥川龍之介先生の「トロッコ」を扱います。この物語文で子どもたちは非常に大切なある“パターン”を学習します。あらすじを確認しながら、そのパターンを紹介しましょう。

【あらすじ】

主人公の良平は8歳の少年。ある日、鉄道敷設工事を手伝うのを口実にトロッコに乗せてもらいました。風の気持ちいいトロッコに夢中になる良平。気がつけば良平は、家からずいぶん遠くに来ていました。

日が暮れるころ、土工たちが思わぬ言葉を口にします。「われはもう帰んな。おれたちは今日向こう泊まりだから」。土工たちは元の場所に戻るのではなかったのです。

良平は呆気にとられました。そして暗い夜道を一人で帰らなければならなくなったのだと悟るのです。

必死で家に向かって走る良平。辺りが暗くなっていく不安から何度も泣きだしそうになりますが、必死に涙をこらえます。「命さえ助かれば――」。そんなことまで思いながら走り続けてようやく家の門口へ駈けこんだとき、良平はわっと泣き出すのです。

良平はなぜ泣き出したのでしょうか。物語からは以下のような気持ちの流れが読み取れます。

・良平は命の危険すら感じる不安のなか、泣きたい気持ちを抑えて走り続ける

・ようやく家にたどりついて安心し、泣き出してしまった

良平は不安な気持ちを抑えながら家に向かって走り続けました。人間の感情は抑えれば抑えるほど大きくなるもの。良平の不安は走りながらどんどん大きくなっていったことでしょう。ようやく家の門口にたどり着いたとき、彼は「助かった。僕はもう大丈夫だ」と安心したに違いありません。いままで泣かないように我慢していた心の緊張の糸が、安心したことで緩んでしまい泣き出してしまったのです。

子どもたちは入試本番までに「抑えていた気持ちがなにかを一気に噴出する」というパターンの文章を何度も読むことになります。そのとき「ああ、トロッコと同じパターンね」とすぐにわかれば、解答を書くまでの時間を短縮したうえで確実に得点できるのです。

国語のトロッコを例に説明しましたが、同じようなことが各教科で少しずつはじまります。夏期講習はこのように問題を解くためのテクニカルな内容が混ざりはじめる時期なのです。

今回の解説をお子さんの予習用に使うのはご遠慮ください。お子さん自らが頭を使って考えることが学力向上につながります。この解説は復習するお子さんをサポートする親御さんにおすすめです。ちなみにお子さんがこの通りの解答を書くと、講師は「どこかで勉強してきたのね」とすぐにわかってしまいます。

ちなみに「トロッコ」は日能研監修の「中学入試に出る名作100」にも取り上げられています。中学受験生の指導にはぴったりの文章なのですね。

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5年生の夏期講習で大切な意識

5年生の夏期講習はテクニカルな話がはじまる時期です。漫然と通塾するのではなく、目的意識を持って授業を受けるようにしましょう。

講師の立場からすると、どうしても身につけてほしいことは毎回の授業につき1~2つ程度です。5年生の夏期講習中はこの1~2つさえ身につけられればそれでOK。

「たったの1つか2つでいいの?」と思うかもしれませんね。ええ、いいんです。

仮に夏期講習20日間、1日の科目数2科目で考えてみましょう。1日の科目数が2科目ですから、大切なことは最大で4つ。それが20日間あるわけですから、夏期講習中に80もの大切なポイントを学ぶことができます。

たった20日間で80個ものポイントを学べるのです。すごいことだと思いませんか? また夏期講習は毎日続くものです。これぐらいでなければ家での復習がとても追いつきません。

5年生の夏期講習では、講師に「これは大切だよ!」と言われたものを確実に身につけていくことを重視して通塾しましょう。もし講師からこういった話がなければ、「最低限身につけなければいけないことはなんですか?」と聞いてみるといいですね。

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家族旅行はラストチャンス

5年生の夏休みは家族旅行に行くラストチャンスです。6年生の夏休みに行く家庭もありますが、基本的には勉強に追われて「旅行どころではない」ということが多いもの。中学受験に大切な家族の絆を強めるためにも旅行に行っておくのはいいことだと思います。

旅行先は海外でも国内でもいいのですが、もし将来的に開成中学を受けるのであれば“東京再発見の旅”というのはいかがでしょうか。

開成中学の社会で出題される「東京問題」

開成中学の社会では数年に一度の周期で東京を題材にした問題が出題されます。いわゆる「東京問題」というものです。2017年の入試では、駅のナンバリングである「JY22目黒」の「JY」がなにを表すか答える問題が出されました。答えは「J」が「JR」、「Y」が「山手線」です。

非常にユニークな問題ですが、駅のナンバリングは2016年8月からはじまったばかりで日頃から身のまわりのことに興味を持っていれば答えられたのかもしれません。

実際、開成中学・高校の吉野修司社会科分科長は出題の狙いを以下のように話しています。

いわゆる知識を覚えるだけではなくて、世の中や普段の生活で起きていることをいろいろな面から知ってほしい。あれ、これ何かな? 様子が変わっているな、どういうことなんだろう? 番号をつけることで何が改善されるのだろう? と、だんだん深く考える人になってほしい。

開成中学は身のまわりのことに疑問を持って探求できる生徒に入学してもらいたいと考えているのでしょう。

筆者が提案する“東京再発見の旅”を本当におこなうには入念な準備が必要です。ただ開成中学を受験するような子であれば、親子で楽しみながらできるようなに思います。これをきれいにまとめて自由研究にしてもいいですね。

“東京再発見の旅”で学んだことが入試に出る確率はかなり低いでしょう。ただテストに出なくてもお子さんの知的好奇心をくすぐることになりますし、親子で一緒に取り組んだことはきっと小学校時代のたのしい思い出の一つに刻まれますよ。もちろんお子さんに興味があればなのですが、検討してみてはいかがでしょうか。

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学校の宿題は夏期講習前にやっておく

毎日の通塾と宿題、家族旅行と忙しくなりそうな夏休み。学校の宿題はいつやればいいのでしょうか。

筆者のおすすめは夏期講習がはじまる前です。夏期講習は毎日あるわけではありません。数日に一度の割合でお休みがあるはずです。でもこの日は宿題に追われて終わってしまうもの。学校の宿題どころではありません。また旅行に行くことを考えると、夏期講習がはじまってから学校の宿題をやる時間はほとんどないのです。

学校が終わってから夏期講習がはじまるまでには数日間のインターバルがあります。このあいだにやるよう塾から指示されていることもあるとは思いますが、このあいだに集中して片づけてしまえばあとは夏期講習に集中できますよ。

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まとめ

  • 5年生の夏期講習は入試に向けたテクニカルな内容が少しずつ入ってくる時期。
  • 毎回の授業で1つか2つ、大切なことを必ず身につける。
  • 5年生の夏休みは家族旅行に行くラストチャンス。
  • 学校の宿題は夏期講習がはじまる前に取り組む。