中学受験生本人やご家族は、9月以降、受験スケジュールを本格的に検討していかなければなりません。夏期講習前までにご家庭の方針やおおよその偏差値などはわかっているものですが、少しでも素敵な中学高校生活を送りたいと、本当に頭を悩ませるのではないでしょうか。
今回は神奈川県に住む女子の受験生を想定し、第一志望校別に受験スケジュール例を紹介します。中学校が神奈川県にあるという意味ではなく、あくまで神奈川県に「住む」受験生を想定していますので、スケジュール例には東京都の学校が含まれています。あらかじめご了承くだい。
ただ、ご家庭の教育方針、偏差値、お住まいの地域・地区などでスケジュールは変わってきます。あくまで参考の一つとしてお考えください。
なお、キリスト教の学校の入試日が日曜日に重なってしまう、いわゆる「サンデーショック」については考慮しておりません。この点もご了承ください。
【神奈川県・男子編はこちら】
フェリス女学院を第一志望校とするスケジュール例
2月1日
【午前】フェリス女学院
【午後】田園調布学園(午後/算数1教科)、品川女子学院(算数1教科)
2月2日
【午前】洗足学園、渋谷渋谷、豊島岡
2月3日
【午前】豊島岡、鷗友学園、学習院女子、横浜共立
2月4日
【午前】豊島岡、田園調布学園
2月5日
【午前】渋谷渋谷、洗足学園、頌栄女子
受験スケジュールのひとこと解説
フェリス女学院の入試は2月1日に実施されます。合格発表は例年2月2日13時です。2月2日午前にどの中学校を受験するか確定するためにも、2月1日の午後を有効に使うといいでしょう。上記のスケジュール例で紹介した田園調布学園や品川女子学院であれば、2月1日の夜に合格発表がありますので、結果次第で2月2日の受験校を決定できます。
2月1日午後入試に合格していて、最終的な進学先としても納得できる場合は、2月2日は渋谷渋谷、豊島岡、洗足学園のいずれかを受験する流れになりそうです。一方、2月1日午後入試に合格していたものの進学先として納得できない場合、あるいは2月1日午後の入試に不合格となってしまった場合は、少しでも合格可能性が上がるだろうと思われる洗足学園を受験する流れになりそうです。
洗足学園は近年、人気が高騰しています。もちろん受験生本人の偏差値や過去問との相性、受験する年の倍率にもよりますが「2月2日の洗足学園で“安全に”合格をもらおう」と考えるのはおすすめできません。
その後の2月3日は鷗友学園、2月5日は洗足学園を受験するのが一般的でしょうか。フェリス女学院を第一志望校にできるということは、一般的に高い学力を持っているということでもあります。筆者の経験上、どちらかに合格してくる受験生が多いように感じますが、心配であれば偏差値的にもう少し余裕のある中学校を受験してもいいでしょう。
一方、2月4日は神奈川県に住んでいて、フェリス女学院を第一志望校にできる受験生が受けやすい女子校はあまりない印象です。共学校や附属校にまで視野を広げると選択肢ができます。
洗足学園を第一志望校とするスケジュール例
2月1日
【午前】洗足学園
【午後】田園調布(午後/算数1教科)、品川女学院(算数1教科)
2月2日
【午前】洗足学園、渋谷渋谷、豊島岡
2月3日
【午前】豊島岡、鷗友学園、学習院女子、横浜共立
2月4日
【午前】豊島岡、田園調布
2月5日
【午前】洗足学園、渋谷渋谷
受験スケジュールのひとこと解説
洗足学園は、飛躍的に人気を高めている学校です。第1回入試は2月1日に実施されます。合格発表は例年、当日21時です。2月2日の受験校はその結果によって決定できます。洗足学園に合格していた場合は受験終了、あるいは渋谷渋谷といったさらに偏差値が高い中学校を受験する流れとなりそうです。一方、不合格だった場合は、2月2日も洗足学園に挑戦することになります。
2月3日は2月1日、2日の結果によって受験校が変わります。洗足学園に不合格で進学先として納得できる学校がある場合は、鷗友学園を受験することになりそうです。一方で進学先として納得できる学校に合格していない場合は、偏差値的にもう少し安全な学校の受験を検討してもよいかもしれませんね。2月4日も同じ考え方で受験校を決定して問題ないでしょう。
2月5日は洗足学園に再度挑戦することになります。洗足学園の入試は3回あるのですべて受験するパターンが考えられますが、後の日程にいくにつれて偏差値が上がるのが特徴です。また、言い方を変えれば、2月1、2、5日と日程が取られてしまうということでもあります。2月4日までのあいだに、納得できる中学校の合格を確実にもらっておきましょう。
鷗友学園を第一志望校とするスケジュール例
2月1日
【午前】鷗友学園
【午後】田園調布(午後/算数1教科)、品川女学院(算数1教科)
2月2日
【午前】洗足学園、渋谷渋谷
2月3日
【午前】鷗友学園、豊島岡
2月4日
【午前】豊島岡、田園調布、鎌倉女学院
2月5日
【午前】渋谷渋谷、洗足学園、頌栄女子、清泉女学院(AP)
受験スケジュールのひとこと解説
鷗友学園の第1回入試は2月1日に実施され、合格発表は例年2月2日となっています。2月1日午後に受験しない場合は、2月2日は事前のスケジュール通りに受験するしかなくなります。2月2日に受験する学校の選択肢を増やすためにも、やはり2月1日午後の入試で合格を取っておくのが安全です。
2月2日は洗足学園の受験が考えられます。ただ、仮に2月1日夜の時点で合格校がない場合は不安です。たとえば2月4日午前に合格をもらえる可能性が高い中学校をスケジュールしておきましょう。上記のスケジュール例では、田園調布学園と鎌倉女学院をピックアップしていますが、校風や受験生本人の偏差値、過去問との相性などを考慮して受験することが大切です。
2月5日には洗足学園や頌栄女子の入試があります。ただ、ここまでに合格がない場合は、進学先がないという状況になりかねません。偏差値的にもう少し余裕のある学校も検討しておきましょう。
横浜雙葉を第一志望校とするスケジュール例
2月1日
【午前】横浜雙葉
【午後】湘南白百合(国算1科)、清泉女学院、横浜女学院
2月2日
【午前】横浜雙葉、鎌倉女学院、田園調布、湘南白百合
【午後】清泉女学院(SP入試)、横浜女学院
2月3日
【午前】学習院女子、東京女学館(東洋英和、横浜共立)
【午後】清泉女学院
2月4日
【午前】田園調布、鎌倉女学院
2月5日
【午前】洗足学園、頌栄女子
受験スケジュールのひとこと解説
横浜雙葉の入試日程は2024年から複数回、実施されています。
日程は以下の通りです。
●2月1日 募集人数60名
※試験は国語・算数・理科・社会の4教科
●2月2日 募集人数30名
※試験は国語・算数・理科・社会の4教科
合格発表日はいずれも当日の22:00なので、結果によって翌日の受験校を検討することができます。
2月1日に合格した場合は入試終了です。一方で、残念ながら不合格になってしまった場合、対応はふたつに分かれます。
まず考えられるのは、2月2日も第一志望の横浜雙葉の受験を続けるスケジュールです。ただし、受験生が分散される2月1日の受験とは異なること、そして募集人数が少ないことを考えると、競争率は上がると考えられます。必然的に偏差値も上がることになると考えられるので、それなりの覚悟が必要です。
また、2月1日の午後に納得できる学校の合格をもらえていない場合は、2月2日の横浜雙葉を回避するスケジュールも考えられます。その場合は、横浜雙葉と同じくカトリック系の湘南白百合のほかに、鎌倉女学院や田園調布などの受験を検討することになりそうです。
また、午後には横浜雙葉と同じカトリック系の清泉女学院の入試があります。カトリックにこだわりがないのであれば、プロテスタント系の横浜女学院を受験するのも一案です。
2月2日の夜までに期待した通りに合格をもらえなかった場合は、2月3日以降も受験を続けることになります。カトリックにこだわりがないのであれば、プロテスタント系の学校である横浜共立や、東京の東洋英和女学院があります。さらに、宗教色のない学校であれば、東京都の学習院女子、東京女学館という選択も可能です。ただ、複数回受験の後半は一般的に偏差値が上がってしまう傾向があるので注意が必要です。
もし横浜雙葉と同じカトリック系の中学校であれば、2月3日の午後に清泉女学院の受験を検討するとよいでしょう。
偏差値としては2月1日が42前後、2月2日が45前後です。2月1日の偏差値は複数日程への変更前後で変化はありませんが、2月2日は募集人数が少ないことも影響してか3ポイントほど高くなりました。(偏差値はサピックス偏差値によります)
まとめ
第一志望校別に神奈川県に住む女子の受験スケジュール例を紹介しました。合格・不合格の可能性を考慮しているため、ルーズなスケジュール例となっています。いずれにしても、たとえ第二志望以下だとしても、進学してもいいと思える学校の合格を確実にもらっておくことが大切です。「可能な限り第一志望校は全日程で受験する。ただし万一の可能性も考慮して納得のいく進学先を用意する」という視点でスケジュールを組むといいですね。