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中学受験に成功するご両親と失敗するご両親の違い|12の特徴を知って合格を引き寄せる

お母さんと一緒に中学受験の勉強 コラム

中学受験業界で長く働いていると、中学受験に成功する子と失敗する子のご両親にはそれぞれ特徴があることがわかります。遊びたい盛りの子どもを塾に通わせて勉強させるからには「中学受験をさせてよかった!」「この受験は成功だった!」と思って終えたいもの。そのためには、ご両親がどのように子どもと接していくかがとても大切です。

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中学受験に成功するご両親の特徴

まずは、中学受験に成功する子のご両親の特徴から紹介します。ここに挙げたもののすべてを兼ね備えているのではなく、このなかのいくつかが当てはまることが多いということです。

中学受験に合格以外のなにかを求めている

中学受験に成功する子のご両親は、受験に合格以外のなにかを求めています。その“なにか”は家庭によって異なりますが、「困難に負けずやり抜く力をつけてほしい」「なにかを学び続けることの大切さを知ってほしい」「受験のための勉強に限らず、自分なりの学習スタイルを身につけてほしい」など、人間的な力や今後の人生の糧となる力を求めることが多いようです。

中学受験のための勉強は、一般的に3年間続けるもの。しかも、遊びたい盛りのお子さんを我慢させてやらせるものです。希望する学校に合格することはもちろん素晴らしいことですが、その先を見据えた教育の一環として中学受験を位置付けるといいでしょう。

「子どもはきっとやってくれる!」と信じている

中学受験に成功する子のご両親は、「自分の子どもはきっとがんばってくれる!」と信じています。以前、担当したTくんのお母さんとこんな会話になりました。入試まであと1か月を切った時期のことです。

筆者「お子さんの様子を見ていると明らかに調子を崩しています。問題が解けず涙目になっていることもありますし、私たちが想像しているより彼のプレッシャーは大きいようです。安全に合格できる学校をスケジュールに組み込みませんか?」
Tくんのお母さん「家では一所懸命勉強していますし、私たちは前向きに努力していると思っています。あの子はそんなに弱い子ではありませんから大丈夫です」

最後に受験した模試の偏差値は、志望校にはわずかに足りません。さらに、入試まで1か月を切った時期に調子を落としているという状況。精神的なバランスを崩していることからも、筆者としてはこのまま対策を立てずに入試を迎えるのはあまりに危険だと考えていました。

まさに祈るように過ごした入試期間……。ところが、Tくんは見事に第一志望校に合格しました。しかも、一般的にレベルが上がるといわれる2回目の入試で力を発揮したのです。

Tくんのお母さんは、彼の努力と強さを信じていました。それが、第一志望校合格という結果につながったのだろうと思います。

お子さんを客観的に見ている

ご自分のお子さんを信じることはとても大切です。しかし、ただ闇雲に信じればいいというわけではありません。中学受験に成功する子のご両親は、お子さんを客観的に見ています。

「この時期に合格可能性30%だが、残り3か月でこれを80%まで上げることはできるか? 上げられなかった場合、どういったスケジュールを組めば納得できる受験になるか?」
「子どもはA中を受験したいと言っているが、偏差値が足りない。このままのスケジュールで受験した場合、子どもの性格を考慮して本当に後悔することはないか」
「ご両親としてはB中に進学させたいと思っているが、偏差値や問題の傾向を考えて本当に受験させていいか? また、本人の性格と校風は一致しているか?」

ご両親はお子さんの中学受験に希望や願いを託しがちです。「私が行けなかったあの中学校へ進学してほしい」「私が通ったあの学校に、子どもにも通ってほしい」「偏差値が60以上の学校でないと進学させる意味がない」などは代表的な例です。中学受験に成功する子のご両親はこういった希望や願いを一度ゼロにして、客観的な立場から「本当に子どものためになる受験」を考えることができます

逆に、ご両親がお子さんの実際の力よりも偏差値の低い学校しか受験させなかった例もあります。「お子さんの力を考えると、C中学もD中学も充分合格の可能性がありますよ」と説得するのですが、「うちの子にはとてもとても……。それなりの偏差値の学校に行ければ充分ですから」という答え。これは「過度なプレッシャーをかけて勉強させなくても、合格するところに通えればいい」と考える家庭が増えている影響なのかもしれません。ただ、筆者としては、これもお子さんを客観的に見られなかったことの表れなのではないかと考えています。

受験勉強をはじめる前にルールを決めている

第一志望校に合格したSくんのお母さんから、こんなことを聞いたことがあります。

筆者「さまざまご苦労はあったかと思うのですが、結果だけを見れば大成功でしたね。どんなことに気を付けて勉強させていたのですか?」
Sくんのお母さん「うちは入塾する前にルールを決めてあったので、その通りにやってきただけなんです」
筆者「ルールを決めたんですか? 差し支えなかったら教えてもらえないでしょうか」
Sくんのお母さん「そんなに特別なものではないんですよ。まずは『自分で中学受験したいと言ったのだから、絶対にやめないこと』。それから『一所懸命やった結果であれば親はなにも言わない。自分でその結果を受け止めること』というものです」

その後Sくんと話すことはできなかったため、彼がこのルールについてどう考えていたのかはわかりません。ただ、「自分で言い出したからにやめられない」「一所懸命にやって自分で結果を受け止める」というシンプルなルールをよく理解して努力を続けたのだということに間違いはなさそうです。

「『自分で結果を受け止めるんだよ』なんて言って、子どもが理解できるの?」と感じるかもしれません。しかし、いい結果か悪い結果かにかかわらず、テストのたびに「これが今回の結果だよね」「テスト前、どんなふうに過ごしていたかな」などと話し続ければ、いつか理解してもらえます。

受験勉強をはじめる前にルールを決めておけば、軸がブレることなく入試まで進むことができます。ご家庭の方針に合わせて考えてみてはいかがでしょうか。

敬意を持って子どもと接している

高校受験や大学受験ではなく中学受験の段階では、ご両親がお子さんに勉強を教えることができます。ただし、ほとんどの場合、それは4、5年生の内容まで。6年生になるとレベルが高くなるため、ご両親が勉強を教えるのは難しくなります。

子どもの偏差値が上がらない、でもご両親が教えることはできない……という状態は非常にもどかしいものです。そこで多くのご両親が陥りがちなのが、お子さんの勉強について無意味に口を出すことです。

「ほら、こういう問題、この前もできてなかったじゃない!」

子どもの勉強がうまく進んでいないと、ついこういったことを口にしがちです。子どもははじめ「そうか、そうだな……」と素直に言うことを聞いてくれるのですが、だんだん我慢できなくなってきます。最悪の場合、「それならママが解いてみればいいじゃん!」というように爆発し、親子ゲンカになってしまうことさえあるのです。

中学受験に合格する子のご両親は、お子さんの勉強に必要以上に口出ししません。それが無意味であることを知っているということ以上に、お子さんに対して敬意を払っているからです。

実は、中学受験生が解いている問題は公立中学のレベルを超越し、科目によっては大学受験のレベルに達しています。しかも、中学生であれば方程式や公式を使って解く問題を、さまざまな工夫によって“素手”で解いているのです。そう考えると、お子さんたちがどれだけ過酷な挑戦をしているのかがよくわかります。

もちろん、中学受験生は小学生ですから、ご両親のサポートなしには勉強できません。学年が低いうちはご両親が口出ししなければいけないことのほうが多いでしょう。しかし、入試が近づいてきたら、子ども自身にある程度任せることも必要です。中学受験に成功する子のご両親は、このあたりのバランス感覚に優れています。

そうだとは言え、お子さんの学習面や成績にどうしても口を出したくなるときはあります。そんなときは塾や家庭教師を上手に利用しましょう。「私から子どもに話しても聞いてくれませんし、ケンカになってしまいます。先生から言っていただけませんか?」と伝えれば、きっとうまく話してくれるはずです。こうした依頼をするときは、「どんな声をかけてほしいか」をお子さんのいないところで打ち合わせしましょう。

「普段はいると感じない、大切なときにはいないと困る存在」になる

中学受験に合格する子のご両親は、「普段はいると感じさせない、大切なときにいないと困る存在」になることを心がけています。

入試が近づくほど子どもの時間は足りなくなるもの。また、時期によってやらなければならないことの量が一気に増えるので、お子さんにとってはそれに慣れるのに一苦労です。一般的に6年生になった直後、夏期講習中、9月以降と段階的に増えていきます。

こうしたなか、ご両親はどういうサポートをしていけばいいいでしょうか。ポイントは、学力の向上には直接つながらない雑事を手伝うことです。プリントの整理や過去問の購入などはその代表例。雑事ではありませんが、お弁当づくりなども大切ですね。

ご両親がこうした作業をおこなってくれることを口に出して感謝するお子さんは多くありません。しかし、実際の問題として、誰かがやってくれなければ困ります。こういったことを引き受けてくれる存在が、中学受験生には必要なのです。

また、ご両親にはお子さんの気持ちを穏やかにする役割があると考えましょう。受験勉強を続けていると、お子さんが精神的に不安定になる時期が必ずあります。中学受験生とは言ってもまだ12歳の子ども。こうしたときに無条件で味方になってくれるご両親がいることでどれだけ心が安定するか……。こうした役目を塾の講師が代わることはできません。

子どもの体調管理に気を遣う

中学受験に成功する子のご両親は、お子さんの体調に敏感です。入試が近づくほどお子さんは本気になり、つい無理してしまうことがあります。ただ、入試直前の12月~1月はインフルエンザが流行する季節。万一感染してしまえば、1週間寝込むことにもなりかねません。熱が下がっても本調子になるには時間がかかりますから、この時期に体調を崩すのはこれまでの努力を水の泡にしてしまう危険性があります。

体の面だけでなく精神面の管理も重要です。テストのたびにわかる偏差値や志望校の合格可能性は、子どもにとって大人が想像する以上のプレッシャーになります。一所懸命に勉強したのにもかかわらず成績が下がるようなことがあれば、精神的に大きなダメージになります。こういった辛い思いをした子ほど強くなっていくものなのですが、その都度立ち直らなければ受験本番を迎えることができません。中学受験に成功する子のご両親は子どもの変化を敏感に察知し、塾を上手に活用しながら子どもを立ち直らせていきます

お子さんの学習状況をしっかり把握している

中学受験に成功する子のご両親は、お子さんの学習の状況をしっかり理解しています。

  • 今日の授業ではどんな分野に取り組んだか
  • 課されている家庭学習や課題の進捗状況はどうか
  • 今日の復習テスト(小テスト)ではどれぐらいの結果だったのか
  • 復習テスト(小テスト)の結果の背景にありそうな原因はなにか(家庭での学習方法に問題があった? 単純な勉強不足? 疲れが出た?)
  • 模試や定期的なテストの結果はどうか(なにが結果に影響していそうか?)

このようなことをしっかり把握しています。

私は家庭教師として受験生のご家庭で授業をしています。最終的に受験に成功するご家庭のお母様は(私がお願いしているからでもあるのですが)授業をお子さんの近くで聞いていることが多いものです。なかにはご自身が事前に課題を解いてから授業を聞いているお母様もいらっしゃいます。こうして、お子さんの得意なところや苦手なところを把握しているのですね。

ここまでの内容は動画でもご覧になれます

この記事には書いていないこともお話ししていますので、ぜひチェックしてみてください!

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中学受験に失敗するご両親の特徴

中学受験に失敗する子のご両親の特徴を紹介します。必ずしもすべてにあてはまるわけではありません。

成績に一喜一憂してしまう

6年生の9月以降、中学受験生は本当に多くの模擬テストを受験します。そのたびごとに明らかになるのが偏差値と合格可能性です。数字によって実力が突きつけられるというのは、お子さんにとって大きなプレッシャーになります。結果がよければ問題ありませんが、悪ければ傷ついてしまうこともあるはずです。そんなとき、ご両親が一緒になってこんなことを言い出したらどうなるでしょうか。

「この時期にこの成績じゃもうダメかもね……。塾、やめようか」

この気持ちはわからなくもありません。しかし、こんなことを言われた子どもはますます自信を失ってしまいます。これでは実力を発揮することができません。

中学受験生とは言っても、まだ小学生です。ご両親を心の拠り所にしている子どもがたくさんいます。お子さんの成績を見て不安になるのは仕方ないかもしれませんが、その気持ちはぐっとこらえ平常心で子どもと接するよう心がけてください。

プライドが高すぎる

「偏差値60以下の学校なら行かせる意味がない」
「私がF中学出身だから子どもも同じF中に合格できるはず」
「私はいつも成績上位を取っていたのに、どうして子どもは勉強できないのか理解できない」

こうしたご両親のプライドは子どもを追い詰めていきます。そもそも中学受験とは、お子さんによりよい6年間を過ごさせるためにさせるものです。「偏差値60以上の学校に合格する」「F中学のブランドを手に入れる」といった目的を否定する気はありませんが、そのせいで最終的に子どもが潰れてしまっては元も子もありません。

「勉強ができない」「問題が解けない」ことを叱りつける

「この問題、なんでできないの?」

勉強ができないことや問題が解けないことを叱りつけるご両親は多いものです。しかし、ご本人としてもできないことがよくないことはわかっています。しかし、どうしたらいいかわからないから困っているのです。

ご両親がすべきなのは、お子さんと一緒にできなかった理由を明らかにすることではないでしょうか。解けなかったという結果は同じでも、実はその原因はさまざまです。たとえば、漢字の書き取りであれば、「漢字の形を間違って覚えていた」「トメやハネができなかった」「漢字自体は知っていても、その意味を知らなかった」などがあります。

問題が解けないことを叱るよりも、できるようにサポートすることが大切です。もちろん、よくわからない場合は塾に相談しましょう。

「塾に行かせているから大丈夫」と考えている

ご両親が子どもの勉強に口を出し過ぎるのは逆効果になることが多いもの。しかし、すべてをお子さん任せにしてしまうのは問題です。学年が低いうちはもちろん、入試が近づいてきてもお子さんは基本的に楽なほうに流されがち。放っておくと宿題をサボってしまう子は珍しくありませんし、そうでなくても好きな科目ばかり勉強してしまう子もいます。こうした状況を知らないままでいると、模擬テストや入試直前になって「こんなはずじゃなかった!」ということにもなりかねません。

勉強のことは塾に任せているから大丈夫」と考えず、「4教科バランスよく勉強しているか」「宿題をしっかりやっているか、その精度は低くないか」など、しっかり確認しながら子どもを塾に通わせることが大切です。

以前、こんなことがありました。私が「塾から帰ったら、お母さんがテキストとかノートとか確認するでしょ?」と言ったところ、あるお子さんから「え? うちのママはそんなことしない。私が塾でなにしているかなんて知らないよ」と返ってきたのです。それだけではありません。他のお子さんからも「うちもそう! ママはなんにも知らない!」という言葉が次々に出てきました。ここが学力の高くないクラスだったことには、考えさせられるものがありました。

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まとめ

最後に中学受験に成功するご両親と失敗しがちなご両親の特徴をまとめてみます。

中学受験に成功するご両親の特徴

  • 中学受験に合格以外のなにかを求めている
  • 「子どもはきっとやってくれる!」と信じている
  • お子さんを客観的に見ている
  • 受験勉強をはじめる前にルールを決めている
  • 敬意を持ってお子さんと接している
  • お子さんにとって「普段はいると感じない、大切なときにはいないと困る存在」になる
  • お子さんの体調管理に気を遣う
  • お子さんの学習状況をしっかり把握している

中学受験に失敗するご両親の特徴

  • 成績に一喜一憂してしまう
  • プライドが高すぎる
  • 「勉強ができない」「問題ができない」ことを叱りつける
  • 「塾に行かせているから大丈夫」と考えている

進学教室サピックスに国語科講師として約14年半勤務。α1~Aコースまで担当しました。「がんばる子の隣で一緒に勉強したい」という願いを叶え、2019年12月から家庭教師として活動中です。今後も「隣にいる人の幸せのために」を忘れずに、中学受験生と一緒に学習したいと思います。

プライベートでは5歳の娘の育児に奮闘中。親としての先輩であるお母様、お父様からさまざまなことを学ばせていただいています。

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